はじめに
皆さん、お加減どうですか?
どうも、いつも診る院長の清水です。
私、診療時間以外は、ほぼスパにいて、サウナばっかり入っているくらいには、サウナが好きでしてね。
こう見えても。ええ。
逆に言うと、それ以外楽しみがないとも言えるんですけどね。
こう見えても。ええ。
書いてておもうけど、「こう見えても」って自分で言う奴、あんまり自分のこと見えてないよね。
他人からは人のことなんて、どうも見えてないからね、大体・・・。
ということで、今日は私も大好きなサウナについて、精神医学的知見から解説させていただく記事となっております。
興味、ありますよね?
そう見えても。
サウナがもたらすメンタルによい影響
近年、サウナの健康効果が注目されており、メンタルヘルスに与える影響について多くの科学的研究が報告されています。
ストレス、不安、不眠などの悩みを抱える方にとって、サウナは手軽に取り入れられるセルフケア手段となります。
本記事では、科学的なエビデンスに基づき、サウナがメンタルヘルスに与える効果を詳しく解説します。
ストレスホルモンの低減とリラックス効果
ストレスホルモンであるコルチゾールは、海馬などの脳領域を障害し、不安や気分の落ち込みの原因となることが知られています。
報告によれば、サウナ浴後には血中のコルチゾール濃度が低下し、リラックス効果が得られることが確認されています (Laukkanen et al., 2018)。
サウナをこよなく愛する人達は、みな狂ったように声を合わせ、「ととのった、ととのった」と言ってますが、これもリラックス効果のなせる技ですね。
自律神経の調整とストレス耐性の向上
サウナ浴は交感神経と副交感神経のバランスを調整し、ストレスへの耐性を高める効果があるとされています (Hussain & Cohen, 2018)。
日々のストレスに悩んでいながら、頭痛、肩こり、お腹の不調、動悸、体の痛みなどで悩んでいる方は、
定期的にサウナを利用することで、改善も期待できるかもしれません。
脳内麻薬の分泌促進
研究では、サウナ浴が俗に「脳内麻薬」と呼ばれるβエンドルフィンの分泌を促進し、気分を向上させることが示されています (Laukkanen et al., 2018)。
βエンドルフィンは脳内で鎮痛作用を持ち、ストレスや不安を和らげる効果があります。
なるほど・・・、狂ったように声を合わせて「ととのった、ととのった」と言っている人達が、脳内麻薬をガチギメしているせいなのであれば、
納得もできますもんね・・・。
セロトニンとドーパミンの増加
サウナ浴は「幸せホルモン」とも言われるセロトニンや、やる気を引き出すドーパミンの分泌を促進します。
研究によると、定期的にサウナを利用することで、不安感や気分の落ち込みを軽減できる可能性があるとされています (Janssen et al., 2020)。
メラトニンの分泌促進と快眠効果
サウナ浴は、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を促し、深い眠りをサポートすると報告されています (Kauppinen, 1989、Huttunen et al., 2001)。
サウナに入ることで一時的に体温が上昇し、その後の体温低下によって自然な眠気が促されます。
そういえば、サウナに入ったあとは急激に眠気がきますね。
それで眠れたら最高なんですけど、寝てしまったら最後、深夜料金が加算されるので、
いつも睡魔と戦い、深夜料金に怯えながらスパをあとにするんですが・・・。
認知症予防の可能性
フィンランドで行われた研究では、週に4回以上サウナを利用する人は、認知症のリスクが低下することが確認されています (Laukkanen et al., 2017)。
これは、サウナ浴が脳の血流を改善し、ストレスを軽減することで、脳の健康を維持するのに役立つためと考えられています。
ついでに言うと、認知症の発症と循環動態の悪化は関連性が強固に示唆されており、高血圧の予防や脂質異常症の予防、腎臓や心臓の悪化を防ぐことが、
すでに認知症予防に役立つことがわかっています。
記憶力や集中力の向上
サウナ浴による血流の増加は、脳への酸素供給を促進し、記憶力や集中力の向上に貢献する可能性があります (Hussain & Cohen, 2018)。
仕事や勉強のパフォーマンスを高めたい方にも、サウナ習慣はおすすめです。
孤独感の軽減
サウナは、一人でリラックスするだけでなく、友人や家族と楽しむこともできます。研究によると、定期的な社会的交流は、うつ病や不安のリスクを低下させる効果があることが報告されています (Janssen et al., 2020)。
面白いことに、サウナに何度も通っていると、
「お?にいちゃん、前もいたよね・・・?」とはなしかけてくるおじさんがいるんですよ。
私もおじさんなんですけどね。
気まずいんで、愛想笑いだけ返しておきました。
まとめ
サウナは、ストレス軽減、うつや不安の改善、睡眠の質向上、認知機能の向上など、心と体の健康にさまざまな良い影響を与えます。
いやあ〜もうサウナ行ったほうがいいですよ?皆さん。おじさんに声もかけられるし。
科学的な研究でも、これらは示唆されており、サウナの定期的な利用がメンタルヘルスの向上に寄与することが確認されています。
あ・・・。おじさんに声かけられること以外ね・・・。
それでは皆さん、お大事に。
更新:2025年3月18日

ライトメンタルクリニック院長
日本精神神経学会認定専門医/精神保健指定医/薬物療法研修会修了/認知症サポート医
【引用・参考文献】
・Laukkanen, T., et al. (2017). “Sauna bathing is inversely associated with dementia and Alzheimer’s disease in middle-aged Finnish men.” Age and Ageing, 46(2), 245-249.
・Hussain, J., & Cohen, M. (2018). “Clinical effects of regular dry sauna bathing: A systematic review.” Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine, 2018.
・Huttunen, P., et al. (2001). “Circulatory and thermoregulatory responses to whole-body cold exposure in middle-aged men after intermittent cold exposures.” European Journal of Applied Physiology, 84(5), 424-429.
・Kauppinen, K. (1989). “Facts and fables about sauna.” Annals of Clinical Research, 21(2), 127-131.
・Janssen, L., et al. (2020). “Sauna use and mental health: A randomized controlled trial.” Journal of Psychosomatic Research, 135, 110-118.