こころの診療
tDCS(経頭蓋直流電気刺激)

tDCS(経頭蓋直流電気刺激)は、頭皮上に設置した電極からごく弱い電流を流すことで、脳の特定部位の神経活動に働きかける非侵襲的な脳刺激療法です。
身体への負担が少なく、薬物療法とは異なるアプローチとして、近年さまざまな分野で研究・活用が進められています。
tDCSは、うつ症状や意欲低下、不安、不眠、集中力低下などに対する補助的治療として用いられることがあり、薬物療法や心理療法と組み合わせて実施されることもあります。
このようなお悩みに対応できます
気分が沈む
意欲がない
集中力がない
眠れない
薬を飲みたくない
疲労・ストレス
tDCSとは
効果と原理
DCSは、脳の表面(大脳皮質)にごく弱い直流電流を流すことで、その部位の神経の興奮性を調整します。これにより以下のような作用が生じると考えられています。
電流の流れる方向によって、脳の特定部位の活動が活性化されたり、抑制されたりします。これにより、過活動や低活動となっている脳領域のバランスを整えることができます。
電気刺激により局所の脳血流が増加し、代謝が促進されることで、機能低下している部位の働きを改善させる効果が期待されます。
電気刺激により局所の脳血流が増加し、代謝が促進されることで、神経細胞が変化しやすい状態になり、機能低下している部位の働きを改善させる効果が期待されます。
ドパミンやセロトニンといった神経伝達物質の調整にも関与し、精神的な症状の緩和に寄与することが報告されています。
方法と運用
tDCS治療では、症状や治療目的に応じて、頭皮上の適切な部位に電極を設置します。
脳のターゲット部位へ適切に刺激が届くよう、電極は専用バンドなどを用いて安定した位置に固定します。電極位置は治療効果や安全性に関わるため、装着方法については初回に丁寧にご説明いたします。刺激時には、微弱な直流電流を使用します。刺激量は状態や反応をみながら調整し、一般的には1〜2mA程度(最大でも4mA程度まで)の範囲で設定されます。刺激中は、軽いピリピリ感や温感、かゆみなどを感じることがありますが、多くは時間経過とともに軽減します。
治療時間は、1回あたり20〜30分程度が一般的です。治療中は読書や動画視聴、リラックスして過ごしていただくことも可能です。継続的に実施することで効果が期待される治療のため、一定期間、定期的に継続することが重要になります。
適応疾患
tDCSは、以下の精神疾患に対して有効性が認められつつあります。
rTMS(反復経頭蓋磁気刺激)との比較
tDCSは、同じく脳刺激を行う治療法であるrTMS(反復経頭蓋磁気刺激)と比べると、まだ研究の蓄積が少ない治療法少なく、「TMSと同等の効果がある」と言うには信頼性が乏しい治療法です。仮にrTMSの研究量を100とすれば、tDCSは30〜40程度と位置付けられています。
しかし、治療の効果量(どれほど有効かの指標)は、その適応によっては、rTMSと比較しても勝るとも劣らないとする報告もあり、しかも実際の治療場面では、その手軽さやコストパフォーマンスから、それらの研究で実施した期間よりも長く、多く治療が可能な事が多いです。
当院では、tDCSのそれらのメリットが信頼性の乏しさというデメリットを十分カバーできるものと考えており、治療を導入しております。
エビデンスは今後の蓄積が期待されますが、他の選択肢が限られる方にとって、有効な治療手段のひとつとなる可能性があります。
注意事項
以下に当てはまる方は、
治療を受けることができません。
・頭蓋内金属、ペースメーカー留置後の方
・てんかんの治療中の方
・電極の留置部位に炎症や過敏症がある方
・妊娠中の方
※その他、医師が治療不可と判断した場合
当院で行うtDCS
治療の流れ
STEP1
ご予約
まずは予約アプリmelmoにて「tDCS外来」をご予約下さい。来院・オンライン診療のいずれにも対応しており、ご都合に合わせて受診方法をお選びいただけます。分院・本院いずれでも診療内容に大きな差はないため、ご予約のしやすさ、予約状況を優先してご予約ください。
STEP2
診察
診察では、現在の症状や生活状況、既往歴、お薬の使用状況などを確認し、tDCS治療の適応や安全性を評価します。必要に応じて他の治療法も含めて総合的にご提案し、期待できる効果や注意点についても医師よりご説明いたします。

STEP3
説明
診察後は、看護スタッフより、tDCS機器の使用方法や電極の装着位置、刺激時の注意点について説明を行います。実際に機器を装着しながら確認するため(オンラインの場合は動画での案内となります)、初めての方でも安心してご使用いただけるよう配慮しています。
STEP4
治療
治療は主にご自宅で実施いただきます。1回20〜30分程度を目安に、決められた頻度で継続して使用します。治療期間中の定期的な受診は必須ではありませんが、問題や疑問点が生じた場合はいつでも「tDCS外来」をご予約いただき、医師に相談ができる体制となっております。治療終了後は、機器をご返却いただきます。
薬機法に基づく未承認医療機器の使用について
当院で実施する本治療に使用する医療機器は、医薬品医療機器等法に基づく国内の製造販売承認を受けていない、
いわゆる「未承認医療機器」です。以下に、薬機法等の観点から必要な事項を明示いたします。
本治療に用いる医療機器は、日本国内では医薬品医療機器等法上の承認を受けていないため、その有効性・安全性について日本政府により評価されていません。
本機器は、米国Caputron(カプロトン)社製の製品であり、医師個人の責任において適法に個人輸入されたものです。医薬品医療機器等法に基づき、医師の裁量により臨床使用されています。
現時点で、本機器と同等の機能・目的を有する医療機器について、国内で薬事承認を受けたものはありません(2025年8月時点の厚生労働省公開情報に基づく)。
海外の研究においては、以下のような軽度から中等度の副作用リスクが報告されています:
電極装着部位における皮膚のかゆみ、発赤、熱感、火傷
頭痛、頭皮の違和感、痛み
耳鳴り、神経過敏、刺激過多、疲労感、集中困難
また、頭蓋内に電極を留置している方、心臓ペースメーカー等を装着されている方においては、誤作動や危険な電気的干渉を起こす可能性があるため、本治療は適応外とされます。
診療メニュー
tDCS外来
来院後、機材の取り扱いをご案内の上、機材を貸与して治療します。
5分間のお試しも可能です。
※金額はすべて税込み表記です。
診察のみの場合は、¥5,500かかります。
5分
¥5,500
2週間
¥20,000
4週間
¥38,000
8週間
¥72,000
12週間
¥102,000
tDCS外来
オンラインで機材の取り扱いをご案内の上、機材を郵送して治療します。
※金額はすべて税込み表記です。
送料¥1,100、システム利用料¥5,500が別途かかります。
治療期間は受診日から計算されますが、
返送してから当院に機材が届くまで7日間の猶予期間があります。
詳細は、お問い合わせ下さい。
2週間
¥20,000
4週間
¥38,000
8週間
¥72,000
12週間
¥102,000
tDCS外来
来院後、機材の取り扱いをご案内の上、機材を貸与して治療します。
5分間のお試しも可能です。
※金額はすべて税込み表記です。
診察のみの場合は、¥5,500かかります。
5分
¥5,500
2週間
¥20,000
4週間
¥38,000
8週間
¥72,000
12週間
¥102,000
tDCS外来
オンラインで機材の取り扱いをご案内の上、機材を郵送して治療します。
※金額はすべて税込み表記です。
送料¥1,100、システム利用料¥5,500が別途かかります。
治療期間は受診日から計算されますが、
返送してから当院に機材が届くまで7日間の猶予期間があります。
詳細は、お問い合わせ下さい。
2週間
¥20,000
4週間
¥38,000
8週間
¥72,000
12週間
¥102,000
よくある質問(FAQ)
多くの場合、強い痛みはありません。
開始直後に「ピリピリ感」「むずむず感」「かゆみ」「軽い熱感」などを感じることがありますが、時間とともに軽減することが一般的です。ただし、刺激の感じ方には個人差があります。
一般的な医療・研究用途の範囲において、人格そのものが変化することを目的としたものではありません。
tDCSは、脳機能の一部に一時的な影響を与える可能性が研究されていますが、「別人になる」「意思を操作される」といったものではありません。
一部研究では、注意機能やワーキングメモリへの影響が報告されています。
ただし、結果にはばらつきがあり、確実な効果を保証するものではありません。
また、目的や状態によって適切な刺激部位や方法は異なります。
目的や状態によって異なりますが、一般的には、一定期間継続して実施する研究デザインが多くみられます。当院でも、賃貸期間が長くなれば料金が高くなるため、できるだけ毎日使用していただき、状態や反応を確認していただくことを推奨しています。
TMS(経頭蓋磁気刺激療法)やECT(電気痙攣療法)など他のニューロモジュレーションほど敏感である必要はありませんが、tDCSの作用や安全性に影響する可能性はあります。
そのため、現在服薬中の方は事前にご相談ください。
基本的には安全な施術ですが、
・てんかん既往
・金属インプラント
・神経刺激デバイス留置例
・ペースメーカー、除細動器
・重度の精神症状
・脳疾患既往
・乳幼児や妊婦
に当てはまる場合、実施を控えることが推奨されます。当院では、医師による評価を行ったうえで適応を判断しています。
tDCSは、うつ症状などに対して一定の有効性が報告されていますが、現時点では抗うつ薬、認知行動療法、rTMS、ECTなどの標準治療を置き換える治療ではありません。
研究では、tDCSを行った群で偽刺激群より改善率が高い報告があります。たとえば近年の大規模試験では、10週間後の反応率はtDCS群58.3%、偽刺激群37.8%、寛解率はtDCS群44.9%、偽刺激群21.8%と報告されています。差としては、反応率で約20%、寛解率で約23%の上乗せです。
一方で、個別患者データを用いたメタ解析では、寛解率について統計学的に明確な差が出ない報告もあり、研究結果にはばらつきがあります。脱落率はtDCS群12.7%、偽刺激群11.3%と大きな差はありませんでした。
そのため当院では、tDCSを「標準治療に代わるもの」ではなく、「負担が比較的少ない補助的な選択肢」として位置づけています。
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