「コロナうつ」とは?コロナウイルス感染症と精神疾患との関連性。

みなさんこんばんは。また、緊急事態宣言が勃発してしまいましたね。

「ええ?GWどこにもいけないじゃん・・・」と

気分が下がった、という方もいらっしゃるのかなと思います。

米国では、抑うつ症状を呈する患者はCOVID パンデミック前の2-9倍であるとする報告もあり、

実際、コロナ禍で、抑うつ状態に至る方も増えた印象です。

この場を借りてコロナ渦に関連する精神的な不調、

いわゆる「コロナうつ」について解説しようと思います。

「コロナうつ」とは?

まず言っておくべきことは、「コロナうつ」という言葉は、

まだ医学的に定義が確立された概念ではない、ということです。

「コロナうつ」「コロナ不安」「コロナ疲れ」「コロナストレス」・・・

すべてはコロナウイルスに関連したストレスにより、

気分の変調をきたしている状態を指す、メディアが生み出した造語に過ぎません。

しかし実際にコロナウイルスのパンデミックに関連して、

様々な理由からストレスが蓄積し、

うつ病、不安障害、睡眠障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの発症や、

既存の精神疾患の増悪、自殺率の上昇と関連していることは、

多くの文献で支持されており、米国では実に45%の国民が

精神的苦痛を感じている、という報告もあります。

私たちは、いわゆる「コロナうつ」と呼ばれるものが、

どのようなものなのか、詳しく知っておく必要がありそうです。

「コロナうつ」をきたす「3つの感染症」

日本赤十字社によると、コロナウイルスのパンデミックによるストレスは、以下の3つに分類されています。

①第一の感染症(生物学的感染症)
ウイルスが引き起こす直接的な症状としてのストレスの事を指しています。オックスフォード大学の研究チームによる報告では、新型コロナウイルスに罹患後18.1%もの人が、何かしらの精神疾患を発症したとのことです。また、既に精神疾患をもっている方も、症状が増悪しやすい事が分かっており、コロナウイルスに罹患しやすいこともわかってきました。
「ウイルスが全身性の高炎症を引き起こし、血液脳関門を損傷し、脳内の炎症を引き起こす可能性があるため、精神疾患を発症、増悪させる可能性がある」「SARS-CoV-2は神経系に直接到達し、炎症過程を誘発するため精神疾患を発症するのでは」などと研究者たちからは考察されていますが、まだ直接の因果関係は判明していません。しかしこれまでもインフルエンザウイルスの発症後に幻覚や妄想を訴える患者がいるなど、歴史的にウイルス感染症と精神疾患との関連性は指摘されており、コロナウイルスもその例外ではないと個人的には考えています。

②第二の感染症(心理的感染症)
COVID-19感染症の治療はまだ確立されていないことから、「感染するのではないか、他人に感染させてしまうのではないか」という強いストレスがかかります。心理的感染症とは、このような不安や恐怖によるストレスの事を指しています。海外の報告によれば、感染への不安は労働者の50%が経験しているようです。

③第三の感染症(社会的感染症)
心理的感染症に関連して生じる、主として「偏見や差別」によるストレスの事を指しています。恐怖心から人間は、ウイルスに接触したとみなされる人を日常生活から遠ざけたり、嫌悪したり、差別的に扱ったりします。「感染したら周囲からどう扱われるんだろう」「感染のリスクがある仕事をしているせいで、冷遇された」など、偏見や差別によりストレスがかかります。

他にも、制限や自粛に関連した怒り、リモートワークなど環境変化によるストレス、経済的な困窮なども広い意味では感染症に関連したストレスと言えるでしょう。
リモートワークになり、日光への暴露時間や歩行の時間が減少し、睡眠に悪影響をきたすことで精神疾患の増悪につながると考えている研究者もいます。

いかがでしょうか。

GW中自粛を要請されているなかでも、

友達と連絡をとるなど、何かしら気分を上げる行動をとったりして、

コロナうつを予防できるとよいですね。

対処法に関しては前記事も参考にして下さい。


【引用・参考文献】
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日本赤十字社/新型コロナウイルス感染症対応に従事されている方のこころの健康を維持するために
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