うつ状態、抑うつ状態とは?
みなさんこんにちは。
院長の清水です。
今日は、診断書によく書かれている病名である、
「うつ状態」「抑うつ状態」についての記事を記載しますね。
まず、うつ状態という言葉の定義から、ご説明します。
厚生労働省によれば、
「憂うつである」「気分が落ち込んでいる」といった気持ち(=抑うつ気分)が強い状態
と定義されています。
このような状態がある程度強い状態をうつ病という、
と厚生労働省では言っていますが、
精神病理学的に言うならば、少し違います。
抑うつ状態の意味は、厚生労働省の定義どおりです。
しかし、それが強まったらうつ病、というわけではありません。
抑うつ状態は、症候を意味している概念に過ぎません。
精神疾患には、抑うつ状態を呈する様々な疾患があります。
例えば、統合失調症、双極性障害(=躁うつ病)、大うつ病性障害(=うつ病)、
適応障害、認知症・・・などがそうですね。
つまり、うつ病なのか双極性障害なのか、発達障害による二次性のうつ(適応障害)なのか
よくわからないときに、暫定的な言い方として
「抑うつ状態」と診断しています。
頭痛の原因としてくも膜下出血も、三叉神経痛も、緊張性頭痛も、偏頭痛もあり得るのに、
原因が分からない場合に「頭痛症」と診断しておくのと一緒ですね。
うつ状態、抑うつ状態を改善する為に
例えば双極性障害のうつ状態と、大うつ病性障害のうつ状態では、
優先されるお薬は異なりますが、
自分で心がけることとしてはほとんど同じです。
例えば生活習慣を規則的に整えて睡眠を確保し、
バランスの取れた栄養をとり、
朝は日光に当たって無理のない程度に、楽しめる活動をする事が基本になります。
前の記事にて紹介したWebサイト
「こころのネット外来」
https://u-t-u.net/category/prescription-major-depressive-disorder
も役に立ってくれるでしょう。
抑うつ状態は、自分でもある程度コントロールできます。
今治療中の方も、是非参考にしてみて下さい。それでは皆さん、お大事に。
【引用・参考文献】
厚生労働省Hp「みんなのメンタルヘルス」https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_depressive.html