認知行動療法【スモールステップ化】とは
みなさん、お加減どうですか?
どうも。いつも診る院長の清水です。
今日は、前回扱った暴露反応妨害法の不安階層表と似ている、
【スモールステップ化】というスキルを紹介しますよ。
スモールステップ化とは、“難しくを易しく、遠くを近くに”する方法
皆さんは、「ドラゴンボールZ」という作品をご存知でしょうか。
少し昔になりますが、ナメック星編の大ボス、フリーザが孫悟空によって
倒される時、少年たちは皆心躍らせたものです。世代がバレますね。
ここで、一つ注目すべき事があります。それは、
孫悟空は、いきなりフリーザを相手に出来る状態ではないのです。
フリーザ戦に至るまで、ピッコロを倒し、ラディッツを倒し、界王様の元で修行をして、ベジータを倒し…etc
色々あって強くなってからフリーザ戦に臨んだはずです。
(ドラゴンボールZを知らない方はごめんなさい!)
メンタル不調を抱える患者さんは、
しばしば、高い目標を設定しがちで、
いきなりフリーザを倒そうとします。
その目標に圧倒されて、
現状を見失ない、
フリーザ様からは「お〜ほっほっほ。虫ケラさんは飛び散りなさい♪」
と言われている始末なのです。
そのため、目標にたどり着くための、
登るべき道筋を示してあげることが大切です。
ここで、分かりやすく説明するために、
認知行動療法の導入で出演した、
サラリーマンのAさんに登場していただきましょう。
Aさんは、職場での多忙からミスが増え、上司に叱責され、
うつ病になってしまった方でした。
(うつ状態としては最高のポージングですよ…Aさん、最高です!)
Aさんはうつ病の診断で薬物療法と2ヶ月の休職を指示されましたが、
薬物療法と認知行動療法が奏功し、1ヶ月後には体調が回復しました。
しかし、実際に復職するのには不安を抱えています。
以下に、実際のやりとりをご紹介しますね。
認知行動療法ースモールステップ化の実践
いかがでしょう?このように考えることで、不安を小さくしていけると思いませんか?
到底無理だと思える目標を、小さい課題からこなし、
最終的に目標に到達しようとする考え方は、
前回の跳び箱を飛ぶ時の考え方と似ていますね。
これの比較的簡単なスキルですから、是非習得して下さい。
それでは、次回のスキルまで、お大事に。
【引用・参考文献】
・ジュディス・S・べック 認知行動療法実践ガイド:基礎から応用まで第二版 星和書店
・Lee David 10分でできる認知行動療法入門 日経BP社
・福井至 図解やさしくわかる認知行動療法 ナツメ社
更新:2024.1.25
ライトメンタルクリニック院長
日本精神神経学会認定専門医/精神保健指定医/薬物療法研修会修了/認知症サポート医