認知行動療法(CBT)をセルフで①。【そもそもCBTとは?】

認知行動療法(CBT)とは?

認知行動療法

皆さん、お大事にしてますか?

どうも。 ライトメンタルクリニック、いつも診る院長の、清水です。

今日は、うつ病や不安障害などの治療で広く活用されている

「認知行動療法(CBT)」について、詳しくご説明します。

認知行動療法シリーズの一作目ですね!

認知行動療法(CBT)の基本概念

CBTは、

認知(Cognitive)行動(Behavial)療法(Therapy)の略です。

精神科の世界でカウンセリングといえばこれ、

というくらいにエビデンスが蓄積しています。

 

CBTは、以下の4つの要素が相互に影響し合うことを理解することから始まります。

それは、

①感情

②思考

③行動

④身体反応

の4つの要素です。

例えば、当院に来院された、会社員のAさんの例を挙げてみましょう。

 

うつ病患者

会社員Aさんのケース

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

Aさんは、仕事が多忙になるにつれ、ミスも増え、上司から叱責されることが増えていきました。

次第に気分が落ち込むようになり、

「自分は役立たずだ。会社には不要の人間だ」と考えるようになりました。

「上司や同僚からも、迷惑がられているだろう」と考え、

同僚や上司を避けるようになりました。

また、意欲も低下し、趣味であるランニングもしなくなりました。

判断力はさらに鈍り、ミスはさらに増えていきます。

その後眠れなくなり、体重も4kg落ちたことで周囲に心配され、

ようやく当院に受診、うつ病と診断されました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

さて、Aさんの例えから、4つの要素を挙げていきましょう。

 

感情:意欲低下、抑うつ気分

思考:「私は役ただずだ」
   「同僚から、迷惑だと思われているだろう」

行動:同僚を避ける、趣味のランニングをしなくなる

身体反応:不眠、体重減少

 

これらの変化が連鎖し、さらにAさんの状態を悪化させていました。

思考と感情・行動の関係

ここで、以下のような仮説が成り立つと思われます。

・私は役立たずだ(思考)、と考えているから、憂鬱な気分になる(感情)。

・憂鬱な気分になる(感情)ことで、食欲が減り、体重が落ちる(身体反応)。

 

つまり、

思考は、(不快な)感情や、

(間接的ではありましたが)身体反応に影響を与えるのです。

 

また、このような仮説も成り立つかもしれません。

・ランニングを怠ったり、同僚を避ける(行動)ことで、喜びを感じる機会が減るのでさらに気分が落ち込む
(感情)。

・ランニングをしなくなり、運動量が減って(行動)、睡眠も浅くなる(身体反応)。

このように、思考や行動のパターンが感情や身体反応に影響を与えることがわかります。

認知行動療法の治療プロセス

CBTは思考や行動を変化させる

さあここで、当初の目的を振り返りましょう。

Aさんの治療目標は、意欲低下や抑うつ気分などの不快な感情、

あるいは不眠や食欲低下などの不快な身体反応を減らす事でしたね。

しかし、

「はい、やる気だ〜して❤️」

と言われてやる気が出るのは、北川景子くらいです。

 

 

「早く寝んかい!💢コラ!」

と言われたら怖くて寝てしまうのは、蝶野正洋くらいです。

 

原則、私たちは、直接(不快な)感情や、

不快な身体反応を抑えることは難しいのです。

 

しかし、思考や行動はどうでしょう?

比較的、変えやすいのではないでしょうか。

 

例えば、

「悲しめ」「涙を流せ」といわれても難しいですが、

「泣き真似をしろ」ならば、簡単にできるのではないでしょうか。

 

認知行動療法はまさに、

認知(思考)と行動を変化させ不快な感情や身体反応に対応する

という治療法なのです。

 

当然、それができれば苦労はしないので、

特に思考に関しては、変化させるトレーニングやスキルが必要になります。

そのトレーニングを医師、または臨床心理師と一緒に

やっていけるといいですね。

認知行動療法が必要な方が、相性のよい先生と出会える事を

お祈りしています。

そうですね、まさに当院の心理士ようにね?

 

如何でしたでしょうか。

認知行動療法については、

厚生労働省がさらに詳しく解説していたりします。

ただし、現在精神症状の激しい方は、

認知行動療法そのものが難しく、

悪化させるリスクも大きいので、誰でも、どんな状態でもできる治療法ではありません。

もし、興味があるなら、

次回以降の実践的な解説をご覧下さい!

 

それでは皆さん。お大事に。

更新:2024年12月4日

 

 

執筆者紹介

清水聖童
ライトメンタルクリニック院長
日本精神神経学会認定専門医/精神保健指定医/薬物療法研修会修了/認知症サポート医
>

 医療法人社団 燈心会
ライトメンタルクリニック
東京都新宿区西早稲田3丁目20-3レガリアタワーレジデンスB1F
TEL 03-6457-6040 FAX 03ー6457-6041
診療日・時間
 月〜金 10:00~13:00、14:00~18:00、19:00~22:00
 土・日 10:00~13:00、14:00~18:00
※土・日の19:00~23:00はカウンセリングのみ
※祝日は原則診療

診療科目 心療内科、精神科、児童精神科、美容皮膚科

ライトメンタルクリニックは、新宿・高田馬場にて夜間診療を行っている精神科・心療内科クリニックです。次に掲げる考え方のもと、「夜間・休日含む常時診療」「非薬物療法の充実」「遠隔診療の実施」「プライバシーの配慮」の4つを特徴とし、精神科・心療内科受診に抵抗のある方にこそ選ばれる医院を目指しております。
1.心身に不調を感じているにもかかわらず、日中忙しいことにより精神科・心療内科の受診を躊躇する方のニーズに応えるため、当院は日中の診療に加え、夜間・休日診療も行います。
2.副作用のリスク等から、薬物療法に抵抗感を感じる方にも精神科・心療内科の受診を検討いただけるよう、非薬物療法を充実させています。
3.通院が困難な方のニーズに応えるため、オンライン診療を実施しています。
4.仕切りを設けた待合室により、患者さま同士が極力顔を合わせずに診療を終える事ができます。
このほか、夜間のひとときをリラックスしてお過ごしいただけるための環境整備に努めてまいります。