皆さんお加減どうですか?
どうも、夜の院長です。
本日は、当院の特徴の一つであるtDCSデバイスを用いた治療の話題を。
マカクザルを使った研究で、学習速度が上がる!という事が判明してから、
海外では作動記憶が上がるだの、短期記憶力が上がるだの、運動機能が上がるだの言われて注目されてきたtDCS。
当院では主にうつ状態に使用しています。
その手応えはというと、勿論前例に効く訳ではないのですが、
mECT(電気けいれん療法)が定期的に必要で入院を繰り返して来た方が入院せずに経過できているなど、一定の効果をあげています。
しかし最近、病気以外でもちらほら寄せられる相談が・・・
「うちの子の成績を上げてあげたいのですが、効きますか?」
「最近物忘れがあるのですが、これで認知症予防できますか?」
といったもの。
学業成績が多少悪くても、勿論病気ではありませんし、物忘れも正常範囲であれば、『加齢性変化』として保険診療の対象外になってしまいます。
結論から言えば、「両者とも、効く可能性あり」です。
あるシステマティック・レビューによれば、34論文中28論文が、ある程度の認知機能の向上を認めたんだとか。…大規模は試験が待たれますね!(ただし、効果が永続するわけではないので、定期的な施術が必要なことは注意が必要です)
当院は保険診療もやりながら、幅広いニーズに応えていければと思いますので、そのようなご相談にも可能な限り応えて行きたいなと思っております。
今後も当院を宜しくお願い致します!
それでは皆さん、お大事に。
【引用・参考文献】
・Feltman Kathryn et al. Viability of tDCS in Military Environments for Performance Enhancement: A Systematic Review.Military medicine,2019Nov18
・Liu Yong et al. Effects of transcranial electrical stimulation on working memory in patients with schizophrenia: A systematic review and meta-analysis.. Psychiatry research 2020.Dec23 Vol. 296
・Stonsaovapak et al. Effect of Anodal Transcranial Direct Current Stimulation at the Right Dorsolateral Prefrontal Cortex on the Cognitive Function in Patients With Mild Cognitive Impairment: A Randomized Double-Blind Controlled Trial Archives of physical medicine and rehabilitation 2020May10