初めて行くメンタルクリニック!様々な不安や疑問にお答えします
はじめに
皆さんお加減どうですか?
どうも。いつも診る院長の清水です。
「心療内科に行きたいけど、どんなことが解決できるの?」
「どのくらい調子が悪かったら受診していいの?」
「精神科と心療内科、どっちを受診したらいいの?」
「何を聞かれるのか、不安・・・」
「何をどうすればいいのかわからない…」
精神的なお悩みを相談するのは、身体の悩みと違いデリケートかつ不明瞭なところが多く、不安や緊張を感じるものです。
この記事では、心療内科や精神科を受診する際にありがちな、よくある不安や疑問にお答えします。
少しでも安心して受診できるお手伝いになれば幸いです。
Q. そもそも心療内科?精神科?どちらを受診するべき?
A.どちらでも構いません。
本来、心療内科は精神症状(不安やうつ症状、イライラ、幻覚妄想など)よりも身体症状(頭痛や胃痛、動悸など)の改善が優先される場合に、身体の症状をケアする診療科です。
気管支喘息、アトピー性皮膚炎、逆流性食道炎、過敏性腸症候群、起立性調節障害などいわゆる心身症と呼ばれる疾患の取り扱いが得意です。
一方で、精神科は、身体症状よりも精神症状の改善が優先される場合に、精神症状をケアする診療科です。
不安障害、気分障害(うつ病や双極性障害など)、適応障害などの診断や治療を行います。不眠症や認知症などの取り扱いも得意です。
しかし、精神症状と身体症状は密に関連し合っており、結局どちらも治療ニーズがあることから、精神科と心療内科、両者とも標榜する医療機関が多く、
その差は曖昧になってきています。こちらについて具体的に知りたい方は、こちらの記事をご参照下さい。
Q.受診していいレベルかどうかわからない。
A.少なくとも、日常生活に支障があるレベルであれば受診して良いです。
日本の精神科・心療内科における保険診療の中心は、お薬による治療です。
お薬は、精神疾患の基準に達した場合に処方されます。
そして、ほぼすべての精神疾患の診断基準に「日常生活に支障をきたしている」という文言がありますので、
お薬による治療を受けるにはその水準程度には状態が悪いことが条件となります。
しかし医療機関によっては日常生活に支障をきたしていなくても介入可能な心理療法などのアプローチがあり、
予防的な介入が可能ですので、支障まではなくても受診するメリットがあります。
また、心理検査などを行っているクリニックでは、
自分がどのような特性をもっているのか、どのような性格的な偏りがあるのか自己理解を深め、
自身で対応できることも増えるかもしれません。
受診する前に、どのような治療法や検査法があるのか確認することが推奨されます。
ちなみに当院は、疾患というレベルまでいかなくても実施可能な、
様々な治療提案ができるクリニックですので、
お困りの方は是非ご相談下さい。
Q. 受診までの具体的な流れは?
A.他の医療機関と特に変わりません。
精神科や心療内科も、他の医療機関とそれほど変わりません。
初診の場合は医療機関に入ってから出るまで、1〜2時間程度かかる事が多いです。
具体的には、以下の手続きになります。
① 予約を取る
まずは、クリニックに電話やオンライン予約をしましょう。以下の情報を伝えるとスムーズです。
- 最も気になる症状(例:気分が落ち込む、不安感が続く、眠れない、動悸がする、など)
- 希望する日時
- 保険証やマイナンバーカードなどの持参物、支払い方法を確認
ポイント:当日予約が難しい場合もあるので、早めに連絡を!
② 初診時の準備
診察時に必ず聞かれることは、受診前にある程度まとめておくことが推奨されます。
一番気になる症状(主訴)を明確にし、それがどのような時間的経過で出現したのか、
ご自身なりにどのような理由や状況で出現したのか、
そしてその症状がどのように推移して現在に至るのかをまとめておくと、診察がスムーズです。
医師を前にすると緊張してしまいうまく話せない方は、症状のメモがあると良いでしょう。
③ 初診の流れ
- 問診票の記入
受付で渡される問診票に、症状や生活習慣、既往歴などを記入します。 - 診察
医師が問診票をもとに、症状や背景を詳しく聞いてくれます。質問された内容に答えるだけで大丈夫です。 - 治療計画の提案
診察後、医師から治療方針が説明されます。カウンセリングや薬物療法、生活改善のアドバイスなど、症状に合った方法が提案されます。
必要な場合は、採血や心電図、画像検査などを指示される場合もあります。
④ 帰宅後
治療計画に従って、次回の予約を取るか、自宅でのケアを続けます。不安や疑問があれば、次回の受診時に質問しましょう。
受診したことは、民間保険会社や会社にバレますか?
A.原則、バレません。
精神科や心療内科の受診を周囲に知られることで、デメリットを感じる方は多いです。
また、民間の保険会社の加入時、精神疾患の診断・通院歴があると加入できないこともあります。
民間の保険会社から医療機関に調査が入ることはあるのですが、
医療機関側には守秘義務もありますし、強制的に情報を開示しなければならない場合は多くありません。
ただし、場合によっては守秘義務よりも情報開示が優先される場合があります。具体的には以下のとおりです。
- 裁判所命令
裁判所から、裁判に使用される目的などで情報開示請求される場合。 - 捜査関係事項照会書による請求
事件性を検討するため、警察からの情報開示請求される場合。 - 虐待が疑われる場合
児童や高齢者の虐待が疑われる場合は、医療機関は通報の義務があります。 - 法的手続きに基づく開示請求
保険金詐欺が疑われる場合など、公的利益が上回ると客観的に判断されるときは、民間保険会社でも強制力を持って医療機関に情報開示請求できます。
Q. メンタルクリニックでどこまで解決できる?
悩みの内容や原因によっては、心療内科や精神科で解決できないこともあります。
治療の種類によってできることの幅が異なります。
具体的には下記のとおりですが、ざっくりとした理解としては、
これまで困ってなかった人が症状が出現してきた場合は解決可能なことが多く、
子どもの頃から抱えてきた症状は解決の望みが薄いと考えてもらうと、それほど間違いがないと思います。
- 薬物療法・神経調節法(ニューロモジュレーション)
主に脳に異常がある場合(=精神疾患)に効果を発揮し、不眠、不安、抑うつ、パニック発作、不注意などの症状を改善します。
ただし、改善に1〜2ヶ月、再発防止のために半年から1年程度の服薬が推奨されることが多く、病状によっては無期限の治療が必要とされることがあります。近年ではTMSなどのニューロモジュレーションを外来で可能なクリニックも増えてきましたが、こちらは対象疾患ややり方によっては薬物療法よりも早期に効果を実感できることもあります。 - 心理療法
生まれつきの性格や、様々な体験で培ったものの見方(=人格)が、現在の環境とアンマッチすることで生まれる葛藤を改善します。幼少期からのお悩みも改善する可能性がありますが、その改善には時間を要することも多く、年単位の時間を要することもあります。 - 環境調整
診断書によって現在の環境から離れたり、症状が改善しないまでも税金が減免されたり、公共料金が減額されたり、福祉サービスの利用料が割り引かれたりするなどの公的補助が受けられることがあります。
まとめ
初めての心療内科受診は、不安な気持ちを抱えがちですが、クリニックは「心と体の健康を守る」ための場所です。
症状が軽くても、少しでも気になることがあれば気軽に相談してください。
ライトメンタルクリニックでは、初診の方でも安心して受診できるようサポートを充実させています。お気軽にご連絡ください!
更新:2024年11月16日
ライトメンタルクリニック院長
日本精神神経学会認定専門医/精神保健指定医/薬物療法研修会修了/認知症サポート医