子供が言うことを聞かない時の対処法 – 親として知っておきたい基本と実践。

はじめに

子供 言うことを聞かない 対処

皆さん、お加減どうですか?

どうも。ライトメンタルクリニック、いつも診る院長の清水です。

子供が言うことを聞かない時、親としてどう対応するべきか悩むことはありませんか?

このような状況は、子育てにおいて誰しもが直面する一般的な課題です。

本記事では、精神科専門医の視点を交えながら、

子供が言うことを聞かない背景にある心理や行動の原因を解説し、効果的な対処法を分かりやすくご紹介します。

1. 子供が言うことを聞かない理由を理解する

1.1 発達段階と自立心の成長

子供が親の指示を無視するのは、単なる反抗ではなく、発達段階の一部であることが多いです。

特に以下の年齢では、以下のような理由が考えられます。

2~3歳:イヤイヤ期
自立したい気持ちが芽生えるが、言葉や感情を上手に表現できないため、拒否的な態度を取ることが増えます。

6~8歳:思考の幅が広がる時期
他者の意見や行動を比較するようになり、親の言葉に疑問を持つことがあります。

10代:思春期の反抗
自分の価値観を形成するために、親との対立が一時的に強まることがあります。

1.2 環境的要因

家庭環境や周囲の状況が子供の行動に影響を与えることもあります。

子供をとりまく周囲、大部分は家庭と学校の環境に加え、

現代はインターネット上の関係にも目を配る必要があります。

思春期以降では、衝動性を高め暴力のリスクを高まるアルコールや

違法薬物、処方薬、シンナーなどの乱用、依存も原因となり得ます。

1.3 子供の心理的要因

子供の性格特性も、当然親の言うことを聞かない要因となります。

注意を引きたい、自分の意思を主張したい、疲労やストレスが溜まっているなどの

理由を検討します。

また、一部の精神疾患は思考、認知、感情面の変容や障害をもたらし、

社会性や健康など人生の重要や領域への障害を引き起こし、これらの

可能性についても検討します。

2. 子供が言うことを聞かない時のNG行動

2.1 感情的に怒る

感情的に怒ると、子供は恐怖心や反発心を感じ、言葉の内容を理解しづらくなります。

また、感情的な反応は、子供に恐怖心や自己肯定感の低下を引き起こす可能性を高めるとともに、

親子関係が悪化し、長期的な信頼関係の構築に支障をきたします。

2.2 無視する

子供が求めているのは、親の関心や理解である場合が多いため、無視することは逆効果です。

また、子供の自己肯定感を低下させ、子供が親の指示に対して反抗的になる要因となることもあります。

2.3 矛盾した対応をとる

一貫性のないルールや指示は、子供に混乱を与え、親の権威を弱めることになります。

したがって、一貫性のある対応が求められます。

2.4 必要以上の説明を行う

子供と対等に議論しようとすると、力関係が不明確になり、子供が親の指示を軽視する可能性があります。

また、必要以上の説明は、子供の混乱を生み、逆効果になる場合があります。

3. 子供が言うことを聞かない時の効果的な対処法

3.1 聞く姿勢で、子供の気持ちを尊重する

まずは、子供の立場や気持ちに寄り添いましょう。

「どうしてそう思うの?」と積極的に問いかけて、

子供の意見を聞く、子供の感情を言葉で代弁する、などの方法が効果的です。

この方法はアクティブ・リスニングと呼ばれ、

子供の感情的な欲求を満たし、言うことを聞きやすくします。

3.2 明確で一貫性のあるルールを設定する

親の言葉や行動が一貫していることで、子供は安心感を持ちます。

家庭内で守るべきルールを決め、ルールを破った場合の結果を事前に説明することは、

子供が思慮深く安定した情緒を築き上げる上で役立ちます。

3.3 ポジティブなコミュニケーションを心がける

小さな成功や努力を認め、褒めることを習慣化することは、有効です。

子供のモチベーションを高め、親への信頼感が高まり、

叱った場合も反省につながる可能性が高まります。

また、指示を具体的に伝えることが有効とされています。

発達段階によっては、概念の理解や言葉の理解が曖昧であるため、

例えば、「片付けなさい」ではなく、「おもちゃを箱に入れて」と具体的に伝えることで、

子供の混乱が少なくなります。

3.4 子供に選択肢を与え、結果を体験させる

選択肢を与えることで、自主性を育むことができます。例えば

「これを先にやる?それともあれを先にする?」

「このおもちゃと、あのおもちゃ、どっちが欲しい?」

など、子供に選択させるように習慣化させます。

親からみると馬鹿らしい選択をとることもありますが、

そのリスクを伝えた上でその選択を行い、結果を体験させることで、

子供は自分の行動の責任を学ぶことができます。

3.5 休息とリフレッシュの時間を確保する

子供も大人と同様に、疲れていると集中力や忍耐力が低下します。

睡眠時間を見直したり、

適度に外遊びや運動を取り入れることが推奨されています。

4. 困った時の相談窓口

子供が日常生活に支障をきたすほど言うことを聞かなかったり、

学校や家庭生活で深刻な問題が生じていたり、親自身がストレスに耐えられない場合などは、

家庭だけで抱え込まず、早期に相談窓口を利用しましょう。

 

4.1 子育て支援センター

地域にある子育て支援センターでは、育児に関する全般的な悩みや課題について専門のスタッフに相談できます。

同じ悩みを持つ親と交流する場も提供されます。

ちなみに東京都では、東京都教育相談センターが利用できます。

電話:03-3360-4175

時間:平日午前9時~午後5時

4.2 児童相談所

子供の行動や家庭内での問題について幅広く相談を受け付けており、適切なサポートを提供してくれます。

児童相談所全国共通ダイヤル(189)は、緊急性の高い問題について、

最寄りの児童相談所へつなぐサービスです。24時間利用可能です。

4.3 家庭教育相談窓口

各自治体で設置されている家庭教育相談窓口では、親子関係やしつけに関する問題について相談が可能です。

電話で無料相談できる自治体もあります。東京都では、「とうきょう子育てスイッチ」などWebサイトで

様々な相談窓口につながることができるサービスがあります。

4.4 スクールカウンセラー

学校に通う子供の問題については、学校に配置されているスクールカウンセラーに相談できます。

学校内部をよく知るカウンセラーとの面談を通して、親も子供も悩みを共有でき、物事の解決を目指します。

4.5 民間の子育て支援団体

地域やオンラインで活動しているNPOや民間の育児支援団体も役立つアドバイスを提供してくれます。

4.6 医療機関(精神科・小児科)

子供の発達障害や心理的な問題について専門的な診断と治療が可能です。

また、診断がつくことで自治体から経済的な支援が受けられたり、

心理士が常設している医療期間では、必要な心理的サポートを受けられる場合もあります。

まとめ

いかがでしょうか?

子供が言うことを聞かない時の対処法は、一時的な解決ではなく、

親子の信頼関係を深めるためのプロセスそのものです。

この記事が、親子関係で悩む方の助けになれば幸いです。

それでは皆さん、お大事に。

更新:2024年12月8日
 

執筆者紹介

清水聖童
ライトメンタルクリニック院長
日本精神神経学会認定専門医/精神保健指定医/薬物療法研修会修了/認知症サポート医

 

 

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