恋の終わりに役立つ心理学
皆さん。お加減どうですか。
どうも、いつも診る院長の清水です。
前回は、「交際関係を長続きさせる心理学」をご紹介しました。
しかし、交際は恋愛の半分の要素でしかありません、
私たちは、永遠を誓える相手が見つかるまで、
出会いと別れを繰り返して成長していきます。
そう、別れも恋愛の大事な一要素なのです。
それに、人間は永遠に生きられるわけではありません。
例え永遠を誓ったカップルであっても、
いつかは必ず別れを迎えるもの。
今回は、できるだけハッピーな別れを迎えるために、
別れ際に使える心理学のテクニックをご紹介します。
相手の自尊心に配慮せよ
お互いの気持ちにズレがあって、
別れが生じる以上、円満に別れというのはそもそもハードルが高いものです。
別れが生んだ悲しみや怒りがトラブルに発展し、
ストーカー事件などに移行するケースもあります。
このように別れを告げられる側はもちろん、
別れを告げる側もストレスを感じる別れですが、
どのような別れ方がベストなのでしょうか。
それは、「相手の自尊心に配慮すること」です。
別れを告げられた側の攻撃衝動が高まる場合は、
「自尊心が傷つけられた」と被害的に感じている場合が大半だからです。
では、具体的にはどのような方法が推奨されるのでしょうか。
「直接会って別れを告げる」
電話やメールで別れを告げられると、「最後まで大事にされていなかった」と言うように
さらに相手への攻撃衝動が高まることが知られています。これを避けるため、
最後は会って伝えることが勧められます。
「これまでの感謝を伝える」
別れのショックを最低限にとどめるための、基本中の基本です。
これまでの交際を、「相手にとって意味のあるものだった」と認識してもらえる可能性が高まり、
自尊心を傷つけるリスクを減らすことができます。
「やむを得ないOrポジティブな理由を添える」
人は、理由があると、受け入れ難い事実を受け入れやすくなります。
しかもその理由は、「他に好きな人ができた」や「あなたを好きじゃなくなった」という
ネガティブなものよりも、「仕事が忙しくなった」「時間をやりたいことに使いたくなった」
などポジティブなものの方が良いでしょう。
別れそうな時に足掻く方法
もし、あなたが別れを切り出されたとして、
別れを受け入れ難い場合は、どうすれば良いのでしょうか。
相手から別れを切り出された時点で、ほとんどその関係性は終わりと言っていいのですが、
もし逆転のチャンスがあるとすれば、どのような行動をとるべきなのでしょうか。
実は、「別れたくないから」と相手を引き止めるのは逆効果。
相手を引き止めることで、相手に「自由が脅かされる」というストレスを与えてしまい、
さらに別れたい気持ちを強める結果になるのです。
なので、正解は引き止めることの逆、つまり
“あっさりと”受け入れることです。
「私も別れたいと思っていた」と告げるという大胆な方法もあります。
これらの方法によって、
フった側にいるにも関わらず、「振られた」感覚になり、
「振られたということは、相手に価値があったのでは」と感じ、
関係を維持できる可能性が高まります。
失恋から立ち直る方法
失恋してから、元恋人のことを何度も思い出して
辛かったことはありませんか?
「私の選択が悪かったのかな・・・」
「私の魅力がなかったのかな・・・」
「相手が最悪だった・・・」
自分や元恋人を責めるという、
不毛でつらい気持ちを抱え、実際に精神科を受診される方もいます。
つらいことはなるべく考えたくないものですが、
人は、嫌なことを考えないようにすればするほど、
余計に、勝手に思い出しやすくなるものなのです。
これは、心理学者ダニエル氏による「シロクマ実験」でも示唆された現象です。
ですので、むしろ辛いことは積極的に考える時間を作り、
口に出したり、泣いたり、活字にしたりすることで、
自分のネガティブな気持ちに向き合ってみましょう。
これは、「エモーショナル・ディスクロージャー」と呼ばれる行為で、
立ち直りが早くなることが知られています。
まとめ
いかがでしょうか。
今日は、「別れ際に役立つ心理学」をご紹介しました。
今後も引き続き、役立つ心理学の記事を書いていきます。
ご好評でしたら、もっと恋愛の心理学の記事も書いていきますね。
コメント、お待ちしております。
それでは皆さん、お大事に。
更新:2024.4.6
ライトメンタルクリニック院長
日本精神神経学会認定専門医/精神保健指定医/薬物療法研修会修了/認知症サポート医