自己肯定感を高める心理学。

自己肯定感を高める方法

 

皆さん、お加減どうですか?

どうも、いつも診る院長、清水です。

最近巷で、自己肯定感って言葉、よく聞きますね。

MBTIやHSPもそうですが、心理学用語が一般に広まっているのは、

専門家として嬉しく思います。

この記事は自己肯定感を向上させるための技術をご紹介するものですが、

ついでに自己肯定感についての理解も深まれば嬉しいです。

では、どうぞ!

 

ポジティブなものだけを見よ!

アメリカの心理学者イサコヴィッツによれば、

人は「ポジティブな人は嫌な対象に目を向け、ポジティブな人は良い対象に目を向ける」

ようです。これを、気分一致効果と言います。

しかも、逆説もまた然りで、

「ポジティブなものを見ていると気分が楽観的になり、不快なものを見ていると気分が悲観的になる」

そうです。

つまり、気持ちを肯定的に持って行きたいのであれば、

「努力して」ポジティブなものを見て、ネガティブなものを無視すれば良いということです。

そうすれば、

次第に努力せずとも気持ちがポジティブになり、

自然にポジティブな情報に目が行くようになります。

 

気分が悪くても口角を上げろ!

人は感情が表情として表れることはもちろんですが、

「表情が感情を作る」という理論もあります。

こちらは、「顔面フィードバック」と言われています。

この理論は、のちに複数の心理学者により追試、実証されており、

表情筋を無理矢理にでも動かすと、気分に影響を与える事が判明しています。

つまり、悲しいとき、面白くないとき、イライラしたときこそ笑うのです。

そうすると、気分が上がり、自信が上がります。

これは、先ほどの気分一致効果と似ていますね。

また、アメリカの心理学者ムランビン氏によると、

「背筋を伸ばすと自信が得られる」など、姿勢も気持ちと連動しているようですよ。

 

アハ体験を積み重ねろ!

まず、「アハ体験」とは何か、ということから説明します。

平たくいうと、未知の体験をして、「わかった!」「成功した!」という感覚のことで、

ドイツの心理学者カール・ビューラー氏が提唱した概念です。

脳内の神経細胞が一斉に興奮するといわれています。

アハ体験を経験すると、気分がポジティブになり、

自信ややる気を高めることができるそうです。

つまり気分がネガティブになっている場合は、

やったことがない、未知の経験を積むように意識すると良いとされています。

未知といっても、これまで全く未経験のことをしろということではなく、

「行ったことのないお店で食べてみよう」「今までより少しだけ上の目標を立てよう」

など、日常生活において些細な変化を取り入れるだけで良いのです。

これらの変化からアハ体験を得ることで、自己肯定感を養っていくと良いでしょう。

 

なりたい自分になり切れ!

あなたは、自己肯定感を上げて、

どんな自分になりたいですか?

何か言われても言い返せる、強い意志を持った人間ですか?

力強くスピーチできる、リーダーシップがある人間ですか?

困った人をみたら助けてあげる、優しい人間ですか?

 

実は、そのようになれる、簡単な方法があります。

それは、「まるで理想的な人物のように、振る舞う」です。

認知行動療法の「ロールアクト」に相当するスキルですね。

アメリカの心理学者ジンバルト氏が行った、

「スタンフォード心理実験」は有名では、

被験者は与えられた役割を演じているうちに、

精神的にもその役割に近づきました。

極端に言うと、「演じれば、そのようになる」という結論です。

これを心理学の世界では、「役割効果」と言います。

まずは、ファッションや、声量、身振り手振りなど、

変化させやすいものから変えてみるのはいかがでしょうか。

さらに、そのスキルを利用するにあたり、その理想的な自分を具体的に想像すると、

実現できる可能性が上がるという「クーエの法則」という理屈もありますよ。

参考にしてください。

動物としての自分を満たせ。

私たち人間は、合理的思考や判断を行う、

「大脳新皮質」が発達しています。

しかし、うつ状態や極度の不安に至ると、大脳新皮質の活動が落ち、

本能的行動を担う「辺縁皮質」や自律神経系の中枢を担う「間脳」の異常な興奮が認められます。

言い換えると、ネガティブな気持ちになって自己肯定感が落ちている方は、

辺縁皮質や間脳の機能障害を起こしている可能性が高いのです。

これらの異常な興奮を鎮めるためには、

「動物として満たされる」ことです。

安心して生存できるという感覚を得るには、動物として基本的な欲求が満たされることが非常に大事です。

簡単です。

①よく運動し、バランス良く食べる!

②無理にでも(薬を使っても)、6時間以上は寝る!

③出会いの場に行き、パートナーを捕まえる!

そう、まずは3大欲求を満たし、動物としての自己を満足されられると、

大脳新皮質が活性化します。つまり、気分が良くなり、自信がみなぎってくるのです。

他者から見える目標を立てろ!

目標を立てても、

「私は意志が弱いから・・・」
「どうせやっても無駄なんだ・・・」
「あと1時間後にやろう・・・」

など何だかんだ自分に言い訳して、目標が達成できなくなったことはありませんか?

人間、目標が達成できないことを繰り返していると、どんどん自己肯定感が下がります。

目標を達成するために、強い意志を持って目標に向かい、達成することが必要です。

今回は、そのために役立つスキルを数点紹介しましょう。

共通することは、「他者から見える形で目標を立てること」です。

①周囲に目標を宣言する
プライドが高い人にとって、有言実行は強いモチベーションになります。周囲に宣言することを、
パブリック・コミットメントと言いますが、これをすると逃げ道が塞がれ、達成の動機づけが高まるとされます。

②紙に書いて貼り出す
人は、口に出すだけでなく、紙に書くなど観察可能な状態にすることで、意志を曲げにくいとされます。
実際に、とある心理実験でこれは検証され、紙に書いた被験者の方が意見を曲げにくいことがわかりました。

行動を習慣化せよ

これも目標達成のための技術ですが、

人は一旦習慣化すると、そのルーチンから逸脱することを気持ち悪く思うようです。

例えば、筋トレをしてマッチョになるぜ!という目標を立てたとして、

筋トレするぞ!というモチベーションに依存して筋トレをするより、

「朝10時になったらジムにとりあえず行く」という具体的な行動を決めておく方が、

持続的に筋トレできるようになるそうです。

色彩を上手に活用する

色には、人類共通のイメージがあります。

それを活用すれば、あなたの印象を自由に操れるかもしれません。

以下に具体例を示します。

赤:活力、情熱、興奮、成長、生命力

青:信頼感、冷静、誠実、爽やかさ

黄:知性、希望、喜び、明朗さ

黒:神秘、権威、強さ、拒絶、高級感、孤高

白:清潔、爽やかさ、健康、信頼感、無垢

最後に

いかがでしょうか。

今日は、「自己肯定感を高める方法」をご紹介しました。

自己肯定感の理解も、深まりましたでしょうか?

なりたい自分になって、自己肯定感を高めようとすることも良しですが、

今の現状でも、見方ひとつで幸せになるということが、

ご理解いただけると幸いです。

 

今後も引き続き、役立つ心理学の記事を書いていきます。

コメント、お待ちしております。

それでは皆さん、お大事に。

更新:2024.4.26

執筆者紹介

清水聖童
ライトメンタルクリニック院長
日本精神神経学会認定専門医/精神保健指定医/薬物療法研修会修了/認知症サポート医

 

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