これって冬季うつ病?季節の変わり目にうつになる理由と対処法とは

はじめに

冬季うつ病

 

皆さん、お加減どうですか?

どうも。いつも診る院長の清水です。

最近どんどん寒くなってきて、秋から冬への移り変わりを感じていますが。

この時期、なんとなく気分が落ち込みやすいと感じることはありませんか?

これは「季節性感情障害」や「冬季うつ病」と呼ばれる症状かもしれません。

本記事では、季節の変わり目にうつになる理由やその対処法について詳しく解説します。

さらに、症状が重い場合にどのような病院を選べば良いのかもお伝えしますね。

 

冬季うつ病(季節性感情障害)とは?

冬季うつ病は、季節性感情障害(SAD)の一種で、特に秋から冬にかけて発症することが特徴です。具体的な症状や原因を知ることで、早期の対処が可能になります。

秋から冬にかけて気分が落ち込みやすい方は、冬季うつ病の可能性があります。

この病気は季節性感情障害(Seasonal Affective Disorder, SAD)とも呼ばれます。

主な症状には、​慢性的な疲労感、無気力、過眠、過食(炭水化物や甘いものへの欲求)、そして集中力の低下などがあります。

冬季うつ病は、女性に多く発症しやすく、特に20–40代の働き盛りの世代が影響を受けやすいと言われています。

うつ病や双極性障害と関連が深く、それらに季節性感情障害の特性が合併することもあります。

 

冬季うつ病の原因

秋から冬にかけて日照時間が減少すると、

体内の睡眠リズムが狂い、日常生活が乱れてストレスがかかります。

また、日照時間が少なくなると体内で合成されるビタミンDが少なくなったり、

脳内のセロトニンやメラトニンのバランスが崩れることが関与するという報告もあります。

これらが複雑に絡み合い、気分の低下や睡眠障害が起こると考えられています。

この症状は、季節が春になると自然に改善することが多いものの、放置しておくと生活の質を大きく損なうリスクがあります。

そのため、早めの対処が重要です。

冬季うつ病の対処法

冬季うつ病は、生活習慣の工夫や専門的な治療で改善が期待できます。ここでは、自分でできる対処法と、必要に応じた治療法について紹介します。

日光を浴びる

日中の早い時間帯に散歩をするなどして、可能な限り自然光を浴びる習慣をつけましょう。特に朝の光を浴びることは体内リズムを整え、気分の改善に役立ちます。

ベッドを窓際に配置し、光が当たりやすい環境を整えることも推奨されます。

光は自然光でなくても効果的ですから、最近販売している光目覚まし機などもおすすめです。

規則正しい生活を送る

睡眠時間を一定に保ち、バランスの良い食事を心がけることも重要です。特に糖質の摂取を控えめにし、栄養バランスを整えましょう。

適度な運動を取り入れる

軽いジョギングやヨガなどの適度な運動は、気分を安定させるセロトニンの分泌を促進します。

病院を受診する

症状が改善しない場合は、専門的な治療が必要です。最も基本となるのが光療法です。

この治療は、専門の機器を使用して日光の代わりに人工的な強い光を浴びる方法で、朝に行うことで効果が期待できます。

必要に応じて薬物療法も行います。 抗うつ薬や気分安定薬が有効とされています。

また、認知行動療法を主体とした心理療法の効果も報告されています。

感情のコントロールやストレスの軽減を図るための心理的なアプローチも有効です。

精神科の受診を検討する際のポイント

症状が日常生活に支障をきたす場合は、早めに精神科や心療内科を受診しましょう。

冬季うつ病の症状が2週間以上続き、生活や仕事に支障をきたしている場合は、専門医を訪れるべきタイミングです。

また、自己対処法で効果が見られない場合も受診を検討してください。

冬季うつ病の治療は、概ねどの精神科・心療内科でも対応できますが、

光治療器を導入しているクリニックは稀です。

ただし、今どきは光治療器がAmazonでも販売されている時代なので、

医療機関は一般的な基準で選んでいただけると良いと思います!(一般的な精神科・心療内科の選択基準に関してはこちら)。

受診前には、自分の症状やその期間、生活の中で困っていることを具体的にメモしておくとスムーズです。

また、家族や友人に同伴してもらうことで、症状を客観的に伝える助けにもなります。

まとめ

冬季うつ病や季節性感情障害は、誰にでも起こり得る身近な病気です。

気分の落ち込みを感じたら、まずは日光を浴びる、規則正しい生活を送るなどの自己対処を試してみましょう。

それでも改善が見られない場合は、早めに専門医を受診することをお勧めします。

自分の症状に合った適切な治療を受けることで、より快適な冬を過ごすことができます。

それでは皆さん。部屋を明るくして、明るい正月を目指しましょう!

 

更新:2024年11月26日

執筆者紹介

清水聖童
ライトメンタルクリニック院長
日本精神神経学会認定専門医/精神保健指定医/薬物療法研修会修了/認知症サポート医

 

 

 

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