自律訓練法とは
皆さんお加減どうですか?
どうも。いつも診る院長の清水です。
ストレスがかかって体調が崩れることは、
ほぼ自律神経の乱れが影響しています。
今日は、そんな自律神経を整える体操をご紹介しましょう。
自律訓練法の歴史
自律訓練法は、元々催眠に導入された被験者から着想を得たものとされています。
1932年にドイツの精神医学者Schultzによって考案され、
1950年に日本に伝わりました。
依頼、心身医療、教育やスポーツ、産業などの領域に、
メンタルヘルスの改善や事故防止などの目的で、積極的に導入されてきました。
疲労回復、集中力の改善、ストレス耐性の向上などが
効果として挙げられています。
自律訓練法は、
トレーニングが公式化されていて、
1つの背景公式と6つの公式と呼ばれるトレーニングを順番に行うことで
構成されています。
自己教示的な言葉を反復させながら、
緊張から弛緩へ変換する心身の調整法として知られています。
毎日1から2回ほど行うことが推奨されています。
自律訓練法の適応
自律訓練法は、副作用が少なく適応範囲が広いことが特徴です。
心理面では不安・緊張の緩和、
身体面は自律神経調整作用に伴う血圧コントロールの改善、
肩こり、緊張性頭痛、過呼吸などに効果が期待できます。
また、心筋梗塞の直後や低血糖症、妄想や解離性障害があると
病状が悪化する可能性があるため、
精神科や循環器内科、糖尿病内科や消化器内科に通院中の方は、
主治医に相談した上で行って下さい。
自律訓練法の実践
①背景公式
まずは、リラックスできる体制(ベッドやリクライニングチェアなど)をとります。
この時、ベルトや時計、メガネなど体を締め付けるものは外しておくことが望ましいです。
軽く深呼吸を4回程度行い、「気持ちが落ち着いている」という言葉を頭の中で2〜3回
繰り返します。
②第一公式(重感練習)
両腕、両足の重さを感じます。
右利きなら、筋肉の弛緩に伴って「右腕がとても重たい」と3〜5回、頭の中で繰り返します。
その後、右手→左手→右脚→左脚と同様に意識を向け、筋肉の弛緩に伴う重たい感覚を
頭の中で3〜5回繰り返します。
③第二公式(温感練習)
両腕、両足の温かさを感じます。
右利きなら、「右手が温かい」と頭の中で3〜5回繰り返します。
こちらも右手→左手→右脚→左脚と頭の中で進めていきます。
④第三公式
腕に意識を向け、「心臓が静かに脈打っている」と頭の中で3〜5回、ゆっくり繰り返します。
⑤第四公式
呼吸に意識を向け、「自然に楽に呼吸している」と頭の中で3〜5回、ゆっくり繰り返します。
⑥第五公式
おなか、胃のあたりに意識を向け「お腹が温かい」と頭の中で3〜5回、ゆっくり繰り返します。
⑦第六公式
額に意識を向け「額が心地よく、涼しい」と頭の中で3〜5回、ゆっくり繰り返します。
⑧消去動作
そのまま寝てしまう場合は不要な手続きですが、この後行動する場合は消去動作が必要です。
ゆっくり開眼し、手を強く握ったまま前に出し、
勢いよくパッと開きます。これを何度か繰り返してから起立します。
いかがでしょうか。
やってみると、意外にもスッキリした感覚が得られるかもしれません。
コストがかからない方法ですので、知っておいて損はないですね!
私も寝る前にやってます。
それでは皆さん、お大事に。
【引用・参考文献】
・佐々木雄二:実践自律訓練法ー1日10分でできる! ごま書房新社 2011
・押川聖子:ストレスマネジメントー実践的セルフケアー 株式会社新興医学出版社 2019
更新:2024.1.29
ライトメンタルクリニック院長
日本精神神経学会認定専門医/精神保健指定医/薬物療法研修会修了/認知症サポート医