認知行動療法ー円グラフ法とは?ー
皆さん、お加減いかがですか?
どうも、いつも診る院長の清水です。
本日のスキルは、前回の認知的概念図と似た技法です。
責任の割合を検討するために使われる技法で、
マイナス化思考が強い方にお勧めの方法です。
今日も、不安を助けるカモミールティとか、
よく眠れるテアニンの入ったカフェインレスの緑茶を片手にぼちぼちやっていきますか
円グラフ法の実践!考えられる可能性を列挙する
説明のために、前回登場したエリート学生Cさんに再登場していただきましょう。
Cさんは、前期の成績が「秀」ではなく「良」だったという状況で、
「私は出来が悪い」という自動思考のせいで、抑うつ気分・自責といった
不快な感情に支配されていたのでしたね。
これから、円グラフ法を使って、責任を検討していきます。
あなたがもし、今自責に悩まされているなら、一緒に責任を検討していきましょう!
まずは、以下の質問を問いかけてください。
「あなたが感じている問題に対して、”自分が悪い”ということを、どれくらい確信していますか?」
Cさんに問いかけるときは次のように問いかけます。
成績が「良」判定だったことについて、Cさんの「出来が悪い」ためである
ということをどれくらい確信していますか?
Cさんは「90%くらいです」と答えました。
円グラフには、このように書き出されます。
さらに次のように質問をします。
「それでは、他にどんな原因がありましたか? 可能な限り、上げてください。」
「それでは、あなた以外に問題になりそうな原因はありましたか?
可能な限り、挙げてください。」
Cさんは次のように答えました。
「そういえば、授業で教わっていないこともテストに出題されました。
それもテストの結果が芳しくなかった理由の一つだと思います。
それから、風邪をひいて休んでしまったところが多く出題されたり、
テスト自体が難しくて、そもそも高得点を取った学生もいなかったと聞きました。」
おや?
冷静に考えると、結果に影響しそうな要因はほかにも見つかりましたね
それぞれの可能性について、責任を割り振る
Cさんの言葉から原因をまとめると、下記のようになります。
#1 Cさんの出来事が悪かった。
#2 運悪く、休んだ授業内容が多く出題された。
#3 テスト自体が難しく、90%以上正解するのは到底困難だった。
それでは、この3つの理由についての責任をパーセンテージで書き出してみましょう。
書き出し終わったら、円グラフに書いてみましょう。
#1 Cさんの出来が悪かった….50%
#2 運悪く休んだ授業内容が多く出題された….20%
#3 テスト自体が難しく、90%以上正解するのは到底困難だった….30%
改めて、自分の責任をパーセンテージをフィードバックする
さぁ、円グラフを書き終えたら、最後にこの質問をしてみてください。
「改めてお伺いします。
今、”自分が悪い”とどれくらい確信していますか?」
「今、”自分が悪い”とどれくらい確信していますか?」
Cさんは「60%くらいです」と答えることができました。
当初の90%と比べると、30%減りましたね…!
アナタはいかがでしたか?
最初に感じていた自責感や罪悪感が、少しでも減少すれば成功です!
ご自身に責任を感じた時、うつ状態になると自分の責任しか見えなくなりがちですが、
ふと、他の要因の影響についても考えるようにすると
気分が軽くなることもあります。
自分を責めたくなったときは、言い訳を考えるのがコツです(笑)
それでは皆さん、
次回のスキル【比較癖といいね!リスト】で
また、お会いしましょう!
それでは皆さん、
お大事に
【引用・参考文献】
・ジュディス・S・べック 認知行動療法実践ガイド:基礎から応用まで第二版 星和書店
・Lee David 10分でできる認知行動療法入門 日経BP社
・福井至 図解やさしくわかる認知行動療法 ナツメ社