認知行動療法ー行動実験ーとは

突然ですが、学校でテストを解いている時のことを思い出してみてください。
その時は手ごたえがあったとしても、答え合わせするまで安心できませんよね。
行動実験はまさに、その答え合わせをするプロセスに似ているんです。
認知行動療法(CBT)ではよく使われる技法なので、ぜひマスターしてください!

Bさんは、コロナ禍で夫の収入が半減し、今後の生活に不安を抱えている主婦でしたね。
問題解決法の実践によって
①生活が破綻しないために、何ができそうか?
②生活が破綻した後は、具体的に何ができるか?
の二つに関して、いくつか現実的なアイデアを出しました。
①の「スマホアプリを使って支出をコントロールする」は成功しました。
今、Bさんの頭を悩ませているのは
「夫のお小遣いをなくすかどうか」
という問題のようです。
Bさんは同時に、以下の自動思考に悩まされています。
「さすがの夫も、この提案には怒るだろう。
子供の前でけんかになってしまうかもしれない」
この問題に対して行動実験では
行動実験計画表(アクションプラン)
を使って計画を練っていきます。
行動実験の実践
行動実験計画表は具体的には以下のようなものです。
Bさんにアクションプランを記入してもらったところ、以下のようになりました。
これで、行動実験の準備が終わりました。
いよいよ行動あるのみですね・・・!
Bさんは、アクションプラン通りに夫に進言してみました。
その結果・・・・
「わかった。俺なら大丈夫だよ。色々考えてくれてありがとね。
いつも感謝してるよ」
と、優しさと愛のあふれる回答をもらいました!!
実験が終わったら、アクションプランの未記入のところを記入し、
完成させます。
Bさんの完成したアクションプランは、以下のようになりました。

Bさんは幸いにも、望ましい結果で終わりました。
今後は似たような状況があれば、同じような行動を繰り返し
さらに新しい思考を強化していく流れになります。
しかし、あくまで行動実験なんです・・・・
実験なので、当然失敗もあります。
じゃあ、失敗した場合はどうすればいいの・・・?
こんな言葉を聞いたことはないですか?
失敗は成功のもと
実験の結果、望ましい結果で終わらなかったとしても
それでいいんです。
なぜなら、
考え出した行動では、ダメな結果になるというデータが得られた
ということになるんです。
ダメな結果になったもの以外の行動を実行することで
さらにいい結果になる(成功する)確率が上がったと考えることができます。
認知行動療法に後退なし
常に私たちは、前進しているんです。
実験で得られたデータをもとに、アクションプランを修正する。
修正することで、さらにいい結果になる可能性が上がる。
修正がうまくできない! という方は
以下のようなことを、自分に問いかけてみてください
・プランの内容は具体的? 日時や場所が明確になっていますか?
・プランの難易度が高すぎないですか?
・簡単に実行できるように、行動が細かく書かれていますか?
・問題となる認知に、直接結びつく行動でしたか?
・結果を過小評価している可能性はありませんか?
期待通りの望ましい結果が得られたとしても、気分がマシにならない人もいます。
そんな時は自分の自動思考に注意してください。
何か、不快な感情の原因となる「新しい自動思考」が生まれていませんか?
安心してください。
そういうときもよくあるんです。
そんな時は、新しい自動思考を検討するような行動実験を再度計画し、実験を続けてください
自動思考を検討し続けることが、次に進むコツです。
検討した自動思考は
ノートにとっておき、いつでも引き出せるようにしておいてくださいね。
治療が進んだら、もう一度振り返ることになるためです。
今回は行動実験計画(アクションプラン)について詳しく説明しましたが、
プランを作るのに慣れたら
①どんな思考・行動を検討するか
②最悪の場合にどのように行動するか
③結果を振り返って、どのようなことを学んだのか
この3つだけをメモして起き、行動実験に取り組む簡略版でもいいですよ。
今回紹介し行動実験を合わせて、
前回の「問題解決法」、前々回の「ソクラテス質問法」の3つを使いこなせれば・・・
認知行動療法は半分マスターしたといっても過言ではないですよ!!
いやぁ~、本当に素晴らしいですね
その調子ですよ!!
その調子でどんどんスキルを伸ばしていきましょう!
次は【認知の偏りを理解する】です。
期待してください!
それは皆さん。お大事に
【引用・参考文献】
・ジュディス・S・べック 認知行動療法実践ガイド:基礎から応用まで第二版 星和書店
・Lee David 10分でできる認知行動療法入門 日経BP社
・福井至 図解やさしくわかる認知行動療法 ナツメ社