メンタルヘルスコラム

ADHDの原因と考え方|本人を責めない理解

  • 更新日:2026.10.22
  • 公開日:2026.10.22

はじめに

ADHDには、遺伝的要因を中心に、脳の発達や機能に関わる複数の要因が影響すると考えられています。本人の努力不足や親の育て方だけで説明できるものではありません。

また、同じような特性があっても、学校や職場、家庭などの環境によって、生活上の困りごとの程度は変わります。

原因や背景を知ることは、本人を責めるのではなく、その人に合った支援や工夫を考えることにつながります。

ADHDとは

ADHDは、注意欠如・多動症と呼ばれる神経発達症の1つです。主な特徴として、不注意、多動性、衝動性があります。

例えば、集中が続きにくい、忘れ物や作業の抜け漏れが多い、じっとしていることが苦手、考える前に行動してしまうといった形であらわれます。

症状の出方には個人差があり、年齢や生活環境によって困りごとも変化します。

※ADHDの症状や診断、治療について詳しくは「ADHD(注意欠如・多動症)とは」のページで解説しています。

ADHDの原因は1つではない

ADHDには、遺伝的要因や脳の発達・機能など、複数の要因が関係すると考えられています。

注意を保つ、行動を調整する、予定を立てて実行する、必要な情報を整理するといった働きに特徴がみられることがあります。

ただし、そのあらわれ方や生活への影響は人によって異なります。

ADHDと遺伝の関係

ADHDは、遺伝との関連が強いことが知られています。家族の中に似た特性を持つ人が複数みられることもあります。

一方、遺伝だけでADHDになるかどうかが決まるわけではなく、複数の要因が重なって発達や特性に影響すると考えられています。

そのため、「親がADHDなら子どもも必ずADHDになる」「家族にADHDの人がいなければADHDではない」と単純に判断することはできません。

ADHDは親の育て方が原因?

子どもに落ち着きのなさや忘れ物、衝動的な行動が多いと、「しつけが足りなかったのでは」と保護者が自分を責めてしまうことがあります。

しかし、ADHDを親の育て方だけで説明することはできません。

本人も周囲を困らせようとしているわけではなく、注意を向け続けたり、行動や感情を一度止めたりすることに難しさがある場合があります。

叱られる経験が重なると自信を失いやすいため、できなかった行動だけではなく、「なぜ難しかったのか」を考えることが大切です。

子どもの発達や学校生活について気になる場合は、児童・思春期外来でも相談できます。

ADHDは本人の努力不足?

大人のADHDでは、予定を忘れる、締め切りに遅れる、確認漏れが多い、物をなくす、片づけが進まないといった困りごとがみられます。

失敗が続くと、「自分はだらしない」「もっと努力すればできるはず」と本人が考えてしまうこともあります。

しかし、複数の予定を管理する、優先順位を決める、作業に取りかかる、注意を切り替えるといったことは、ADHDの特性によって負担が大きくなる場合があります。

努力を求め続けるよりも、本人の特性に合った方法や環境を考えることが重要です。

環境によって困りごとは変わる

ADHDの特性そのものと、生活上の困りごとは同じではありません。本人の特性と周囲の環境との組み合わせによって、困難の程度は変わります。

例えば、予定を見える形にする、指示を短く具体的にする、作業を細かく分ける、物の置き場所を決めるといった工夫で、負担が軽くなることがあります。

反対に、多くの情報を同時に処理する必要がある環境や、予定変更が頻繁な状況では困りごとが目立ちやすくなります。

ADHDへの対応では、本人だけに変化を求めず、生活しやすい環境を整える視点も大切です。

ADHDとこころの不調との関係

ADHDの特性があると、ミスや遅れ、対人関係のすれ違いが重なり、周囲から誤解されたり、繰り返し注意されたりすることがあります。

こうした経験が続くと、不安や抑うつ、自信の低下、不登校、職場への苦手意識などにつながることがあります。

一方、「集中できない」「落ち着かない」「気持ちが不安定になる」といった症状は、睡眠不足やうつ病、不安症、適応障害などでもみられます。

症状だけでADHDと決めつけず、これまでの経過や生活状況を含めて考えることが重要です。

ADHDが気になる場合はどうすればよい?

忘れ物やミスが続く、学校や職場で注意されることが多い、予定管理や片づけが難しく生活に支障が出ている場合は、精神科や心療内科への相談を検討してもよいでしょう。成人のADHDについては、大人の発達障害専門外来でもご相談いただけます。」

診断では、現在の困りごとだけでなく、子どものころからの様子や、家庭・学校・職場での状態などを総合的に確認します。

ADHDを単独で診断できる心理検査はなく、必要に応じて心理検査や評価尺度を補助的に用います。

受診は、診断名をつけることだけが目的ではありません。何に困っているのかを整理し、その人に合った工夫や支援を考える機会にもなります。

渋谷・高田馬場でADHDに関する相談ならライトメンタルクリニック

渋谷・高田馬場のライトメンタルクリニックでは、ADHDを含む発達特性について、これまでの経過や学校・仕事・家庭での状況を踏まえて診療を行っています。

必要に応じて、心理検査や薬物療法、生活環境の調整などについてもご相談いただけます。

「忘れ物やミスが多く生活に支障が出ている」「仕事や学校で同じ失敗を繰り返す」「ADHDの特性があるのではと感じる」といった場合もご相談ください。

ーーーーー

上部へスクロール