CAARS(コナーズ成人ADHD評価スケール)|大人のADHD検査・T得点の見方

目次
- CAARS(コナーズ成人ADHD評価スケール)|大人のADHD検査・T得点の見方
- CAARSの基本情報
- CAARSとは?
- CAARSはどのようにADHD症状を評価する?
- CAARS日本語版の8つの尺度
- 自己記入式と観察者評価式
- 矛盾指標とは?
- CAARSのT得点とは?
- CAARSのプロフィールはどう読む?
- CAARSだけでADHDを診断できる?
- CAARSが高くなるのはADHDだけではない
- CAARSとASRSの違い
- CAARSとWAIS-IVの違い
- CAARSとConners 3の違い
- CAARS 2との違い
- CAARSは治療効果の確認にも使える?
- CAARSの結果を仕事・生活の工夫につなげる
- CAARSに回答するときのポイント
- 当院でCAARSを受ける流れ
- 当院のCAARS検査|所要時間・費用
- CAARSのよくある質問
- まとめ|CAARSは成人ADHDの「困り方」をプロフィールとして整理する検査
- 引用・参考文献
CAARS(コナーズ成人ADHD評価スケール)|大人のADHD検査・T得点の見方
「仕事で細かなミスが多い」
「締切や予定の管理が苦手」
「話を最後まで聞く前に返事をしてしまう」
「頭の中が常に動いていて、落ち着きにくい」
といった困りごとが続く場合、
成人のADHD(注意欠如・多動症)の特性が関係していることがあります。
CAARS(Conners’ Adult ADHD Rating Scales/コナーズ成人ADHD評価スケール)は、
18歳以上の成人を対象に、
不注意、多動性、衝動性などのADHD関連症状を質問紙によって整理する心理評価尺度です。
CAARSの特徴は、
本人自身が回答する自己記入式だけでなく、
家族・パートナー・友人・同僚など、
最近の本人をよく知る人が回答する観察者評価式が用意されている点です。
本人から見た困りごとと、周囲から見える行動の両方を確認できます。
CAARSは成人ADHDの評価に有用な尺度ですが、
得点だけでADHDを確定診断することはできません。
幼少期からの発達歴、現在の症状、仕事・家庭など複数場面での支障、
診察所見、他の精神疾患や睡眠状態などを総合して判断します。
CAARSの基本情報
Conners’ Adult ADHD Rating Scales
コナーズ成人ADHD評価スケール
18歳以上
成人ADHDの症状・重症度
自己記入式・観察者評価式
各66項目
15〜30分程度
8尺度・T得点・プロフィール
CAARSとは?
CAARSは、ADHD研究・臨床で知られるC. Keith Connersらによって開発された
成人向けのADHD評価尺度です。
成人のADHDでは、
子どもの頃のような「授業中に席を立つ」といった分かりやすい多動性だけでなく、
社会生活に応じて症状の現れ方が変化します。
仕事を最後までまとめにくい
複数の仕事に手をつけるものの、
優先順位をつけたり最後まで仕上げたりすることが難しい場合があります。
予定・期限を管理しにくい
約束や締切を忘れる、時間を見積もることが苦手、
直前にならないと着手できないといった形で表れることがあります。
内面的に落ち着かない
成人では、外から見て明らかに動き回るとは限らず、
「じっとしていると苦痛」「常に何かしていたい」といった
内面的な多動性として感じられる場合があります。
衝動的に判断してしまう
会話への割り込み、衝動買い、
十分に考える前の意思決定などとして現れることがあります。
CAARSでは、このような成人期の日常生活に現れる特徴を複数の尺度に分け、
「どの領域の症状がどの程度目立つのか」をプロフィールとして整理します。
CAARSはどのようにADHD症状を評価する?

CAARSは、
「質問に何個当てはまったか」だけを見る検査ではありません。
回答を複数の尺度に分類し、
標準化されたT得点としてプロフィール化します。
+
観察者評価
→
8尺度に整理
→
T得点
→
診察と統合
CAARS日本語版の8つの尺度
CAARS日本語版では、
以下の8尺度から成人ADHDの症状プロフィールを確認します。
表は横にスクロールできます →
| 尺度 | 主に評価する内容 | 高得点のときに確認すること |
|---|---|---|
| A. 注意不足/記憶の問題 |
注意を維持すること、忘れやすさ、 整理整頓、課題遂行など |
ミス、忘れ物、予定管理、 タスク完了の難しさなど |
| B. 多動性/落ち着きのなさ |
身体的・内面的な落ち着きのなさ、 活動性の高さ |
じっとしている苦痛、 常に動いていたい感覚など |
| C. 衝動性/情緒不安定 | 衝動的な行動や感情反応の変動 |
会話への割り込み、 性急な意思決定、感情反応など |
| D. 自己概念の問題 |
自己評価、自信、 自分自身の捉え方 |
失敗体験の蓄積や、 自己評価低下との関係 |
| E. DSM-IV 不注意型症状 | DSM-IVの不注意症状に対応する項目 | 不注意症状がどの程度報告されているか |
| F. DSM-IV 多動性・衝動性型症状 | DSM-IVの多動性・衝動性症状に対応する項目 | 多動性・衝動性がどの程度報告されているか |
| G. DSM-IV 総合ADHD症状 | 不注意と多動性・衝動性を統合した症状 | ADHD中核症状全体の強さ |
| H. ADHD指標 | ADHD群と一般成人を区別しやすい項目群 |
ADHDに特徴的な回答パターンが どの程度みられるか |
国内で用いられているCAARS日本語版はDSM-IV時代に作られた尺度です
CAARS日本語版には
「DSM-IV不注意型症状」
「DSM-IV多動性・衝動性型症状」
といった尺度が含まれています。
現在の診断ではDSM-5-TRなどの診断基準が用いられるため、
CAARSのDSM-IV尺度を現在の診断基準に機械的に置き換えて
診断するものではありません。
自己記入式と観察者評価式
成人ADHDの評価では、
本人が感じている困難と、
周囲から観察される行動が一致しないことがあります。
自己記入式
本人自身が回答します。
集中を保つためにどれほど努力しているか、
頭の中の落ち着かなさ、
自分に対する評価など、
外からは分かりにくい困難も反映されます。
観察者評価式
家族、パートナー、友人、同僚など、
最近の本人をよく知る人が回答します。
忘れ物、会話への割り込み、
行動上の落ち着かなさなど、
周囲から見える特徴を整理できます。
専門医の個人的見解|自己評価と他者評価の「ズレ」そのものに意味があります
CAARSでは、
「本人はかなり困っているのに周囲からは問題なく見える」
あるいは
「本人は困っていないと感じているのに、周囲では問題が目立つ」
といったことがあります。
これは単純にどちらかが間違っているという意味ではありません。
職場では強い緊張や努力によって症状を補っている、
本人が長年の特徴に慣れていて困難として認識していない、
家庭と職場で要求される能力が違う、
といった背景が考えられます。
そのため、
「なぜ評価がずれているのか」を診察で検討すること自体が、
CAARSを行う意義の一つだと考えています。
矛盾指標とは?
CAARS日本語版には、
回答内容の一貫性を確認するための
矛盾指標があります。
これは、似た内容の質問に対する回答が大きく食い違っていないかなどを確認し、
得られたプロフィールをどの程度そのまま解釈できるかを考える材料になります。
矛盾指標が高い=「うそをついている」ではありません
疲労、設問の読み違い、
状況による症状の変動、
自分自身の特徴を評価する難しさなどによっても
回答が一貫しにくくなる可能性があります。
指標だけで回答者の意図を判断するものではありません。
CAARSのT得点とは?
CAARSでは素点をそのまま比較するのではなく、
標準化されたT得点(Tスコア)を用いてプロフィールを確認します。
T得点は一般に、
平均を50、標準偏差を10とする標準得点です。
そのため、
どの領域が標準集団と比較して相対的に高いのかを確認できます。
表は横にスクロールできます →
| T得点 | おおまかな位置づけ | 解釈するときのポイント |
|---|---|---|
| 50前後 | 標準集団の平均付近 |
得点だけで症状の有無を判断せず、 実生活上の困難を確認します。 |
| 60〜64 | やや高い領域 |
具体的な困りごとがあるかを 診察で確認する領域です。 |
| 65〜69 | 臨床的に高い可能性のある領域 |
その領域の症状と 日常生活への影響を詳しく検討します。 |
| 70以上 | かなり高い領域 |
強い症状が報告されていますが、 ADHD確定診断を意味するわけではありません。 |
T得点65以上ならADHD、という意味ではありません
T得点は、
その領域の特徴が標準集団と比較してどの程度目立つかを示す指標です。
高得点の原因がADHDなのか、
睡眠不足、うつ、不安、強いストレス、
他の精神疾患や環境負荷なのかまでは、
CAARS単独では判断できません。
CAARSのプロフィールはどう読む?
CAARSでは、
「合計点が高いか低いか」だけではなく、
8つの尺度の形を見ることが重要です。
不注意が目立つ
注意不足/記憶の問題や不注意症状の尺度が高い場合、
仕事の抜け、忘れ物、優先順位、
締切管理、タスク開始などを具体的に確認します。
多動・衝動性が目立つ
落ち着きのなさや衝動性が高い場合、
会話、意思決定、対人関係、
感情反応などへの影響を確認します。
広い領域が高い
複数の尺度が高い場合は、
ADHD症状だけでなく、
気分、不安、睡眠、ストレスなど
状態要因の影響も含めて評価します。
専門医の個人的見解|一つの点数より「プロフィールの形」を診察に戻す
成人ADHD診療では、
CAARSの最大値やADHD指標だけを見るよりも、
どの尺度が突出し、実生活のどの困難と対応しているのか
を確認するほうが臨床的に役立つことがあります。
例えば不注意尺度が高い方でも、
「会議中の集中」が問題なのか、
「タスク開始」が問題なのか、
「期限管理」が問題なのかでは、
必要な対策は異なります。
CAARSだけでADHDを診断できる?
できません。
ADHDの診断では、
現在の不注意・多動性・衝動性だけでなく、
発達早期からの症状、
複数の生活場面での持続、
実際の機能障害などを確認する必要があります。
+
幼少期の発達歴
+
生活上の支障
+
鑑別診断
CAARSはこの中で、
主として現在のADHD関連症状の強さと構造を
整理する役割を担います。
専門医の個人的見解|CAARSは「診断する検査」より「診察を精密にする検査」
CAARSの結果を見ることで、
漠然と「集中できません」と聞くだけではなく、
どの種類の困難が強いのかを絞り込んで
診察することができます。
私はCAARSを、
ADHDという診断名を機械的につけるためではなく、
診察の解像度を上げるための地図
として使うことに大きな価値があると考えています。
CAARSが高くなるのはADHDだけではない
注意力や衝動制御は、
ADHD以外のさまざまな状態によっても変化します。
うつ状態
思考速度や集中力が低下し、
忘れっぽさや仕事の効率低下が目立つことがあります。
不安・強いストレス
心配事に注意資源が奪われ、
集中できない状態になることがあります。
睡眠不足
睡眠不足や睡眠障害は、
注意力、作業効率、衝動制御を悪化させます。
双極症
躁状態・軽躁状態では、
活動性や多弁、衝動性が一時的に高くなることがあります。
ASD
注意の切り替えや実行機能の問題など、
ADHDと重なる困り方がみられることがあります。
環境負荷
過重労働、極端なマルチタスク、
強い対人ストレスなどでも
不注意が増えることがあります。
CAARSとASRSの違い
CAARSとASRSはいずれも成人ADHDの評価に用いられますが、
主な目的が異なります。
表は横にスクロールできます →
| 比較 | CAARS | ASRS |
|---|---|---|
| 主な目的 |
症状の強さやプロフィールを 多面的に評価 |
成人ADHDの可能性を 短時間でスクリーニング |
| 情報量 | 比較的多い | 少なく簡便 |
| 他者評価 | 観察者評価式あり | 基本は自己記入 |
| プロフィール | 複数尺度をT得点で確認 | 中核症状を中心に確認 |
| 向いている場面 | 詳しい成人ADHD評価 | 一次スクリーニング |
ASRSでADHDの可能性を簡便に確認し、
必要に応じてCAARSや診断面接などを組み合わせる方法もあります。
CAARSとWAIS-IVの違い
ADHDの評価では、
CAARSとWAIS-IVが同時に話題になることがありますが、
両者は全く異なる情報を調べる検査です。
表は横にスクロールできます →
| 比較 | CAARS | WAIS-IV |
|---|---|---|
| 評価対象 | ADHD関連症状 | 知的能力・認知特性 |
| 方法 | 質問紙 | 心理職との個別課題 |
| 不注意 | 日常生活でどの程度みられるかを評価 |
不注意症状そのものを 直接診断する検査ではない |
| ワーキングメモリ | 直接測定しない | 認知能力の一領域として評価 |
| 主な役割 | 症状プロフィールの整理 | 得意・不得意の認知プロフィールの整理 |
WAIS-IVの結果だけでもADHDは診断できません
ADHDの方でワーキングメモリや処理速度が低くなることはありますが、
必ず一定のWAISプロフィールになるわけではありません。
WAIS-IVはADHDの有無を判定する検査ではなく、
認知特性を理解するための検査です。
CAARSとConners 3の違い
CAARSとConners 3はいずれもConners系列の評価尺度ですが、
対象となる年齢が異なります。
表は横にスクロールできます →
| 比較 | CAARS | Conners 3 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 成人 | 児童・思春期 |
| 本人評価 | 自己記入式 | 年齢に応じた自己評価フォーム |
| 他者評価 | 家族・パートナー・友人・同僚など | 保護者・教師など |
| 生活場面 | 仕事、家庭、対人関係など | 家庭、学校、学習、集団生活など |
そのため、
成人のADHD評価ではCAARS、
児童・思春期ではConners 3など、
年齢と評価目的に応じて尺度を選択します。
CAARS 2との違い
海外では、
従来版CAARSを改訂した
CAARS 2(Conners Adult ADHD Rating Scales 2nd Edition)
が開発されています。
CAARS 2では、
現在の診断基準への対応や標準化データの更新、
評価領域の拡張などが行われています。
CAARS日本語版と海外のCAARS 2は同一の検査ではありません
国内で使用されているCAARS日本語版と、
海外で提供されているCAARS 2では、
項目構成や標準化データが異なります。
インターネット上でCAARSについて調べる際には、
どの版について説明している情報なのかを区別する必要があります。
CAARSは治療効果の確認にも使える?
CAARSは初回評価だけでなく、
必要に応じて治療前後の症状変化を確認するためにも利用できます。
薬物療法
ADHD治療薬の導入前後で、
不注意や多動性・衝動性がどのように変化したかを
客観的に整理する材料になります。
環境調整・心理社会的支援
タスク管理方法、職場環境、
生活習慣などを調整した後に、
症状や困難がどう変化したかを確認する材料になります。
ただし治療目標は
「CAARSの点数を下げること」そのものではありません。
実際の生活がどの程度安定し、
本人の負担が減ったかを合わせて確認することが重要です。
CAARSの結果を仕事・生活の工夫につなげる
心理検査の目的は、
診断名をつけることだけではありません。
得られたプロフィールを、
日常生活や仕事の具体的な工夫へ還元することが重要です。
指示を文章でも残す
口頭指示だけでなく、
メール、チャット、チェックリストなど
後から確認できる形を併用します。
タスクを小さく区切る
「企画書を完成させる」ではなく、
情報収集、構成、初稿、確認など
小さな工程に分割します。
締切を外部化する
頭の中だけで予定を管理せず、
カレンダー、リマインダー、
タスク管理ツールを利用します。
集中を妨げる刺激を減らす
通知を減らす、
集中作業の時間帯を決める、
周囲の刺激が少ない場所を選ぶなど、
環境側も調整します。
専門医の個人的見解|「本人の努力不足」で説明しないことが重要です
ADHD特性がある方では、
「もっと注意する」
「忘れないように頑張る」
という本人の努力だけでは改善しにくい問題があります。
CAARSで困難のパターンを整理したうえで、
本人の努力量を増やすより、
忘れても困りにくい仕組みを作るという発想に切り替えることが
実用的なケースは少なくありません。
CAARSに回答するときのポイント
良い結果を出す検査ではありません。
実際の日常生活に近い状態を回答してください。
昨日たまたま失敗した、
たまたま調子が良かったという一日ではなく、
普段の傾向として回答します。
回答に迷う項目では、
設問の指示に従い、
日常に最も近い選択肢を選びます。
ADHD治療薬などを使用している場合、
現在の回答は治療中の状態を反映する可能性があります。
当院でCAARSを受ける流れ
現在のお困りごと、
仕事・家庭での状況、
発達歴などを確認し、
CAARSを行う目的を整理します。
自己記入式に回答します。
必要に応じて、
本人をよく知る方に観察者評価式への回答をお願いすることがあります。
各尺度の得点を整理し、
T得点や尺度ごとの特徴、
自己評価と観察者評価の違いなどを確認します。
CAARSの結果だけでなく、
診察や発達歴、必要に応じた他の心理検査と統合し、
診断や治療、生活・仕事上の工夫へつなげます。
当院のCAARS検査|所要時間・費用
CAARS
18歳以上
約30分
7,700円(税込)
CAARSは自由診療で実施しています。
料金や運用は変更となる場合がありますので、
受検前に最新の料金表をご確認ください。
CAARSのよくある質問
CAARSだけでADHDと診断できますか?
できません。
CAARSは成人ADHDの症状を整理するための有用な評価尺度ですが、
幼少期からの発達歴、現在の機能障害、診察所見、
他の精神疾患による説明の可能性などを総合して診断します。
T得点が65以上ならADHDですか?
いいえ。
高得点はその領域の症状が比較的強く報告されていることを示す目安です。
カットオフを超えたことだけでADHDが確定するわけではありません。
CAARSが正常ならADHDではありませんか?
必ずしもそうではありません。
環境が本人の特性に合っている場合や、
強い努力・工夫によって症状を補っている場合には、
質問紙上では症状が目立ちにくいこともあります。
家族にも回答してもらう必要がありますか?
全員に必須ではありません。
ただし本人をよく知る方から観察者評価を得られる場合には、
自己評価だけでは分からない情報が得られることがあります。
自己評価と観察者評価が大きく違っても大丈夫ですか?
珍しいことではありません。
内面的な困難は本人にしか分からないことがあり、
逆に本人が気づきにくい行動を周囲が認識している場合もあります。
得点差も含めて臨床的に解釈します。
CAARSとASRSはどちらを受ければよいですか?
ASRSは短時間で行えるスクリーニングに適し、
CAARSは症状の強さや複数領域のプロフィールを
より詳しく評価する場合に適しています。
評価目的に応じて選択します。
CAARSとWAIS-IVは両方受ける必要がありますか?
全員に必須ではありません。
CAARSはADHD症状、
WAIS-IVは知的能力・認知プロフィールを評価するため、
得られる情報が異なります。
必要に応じて組み合わせます。
ADHD治療薬を飲んでいても受けられますか?
受検は可能です。
ただし治療薬によって現在の症状が改善している場合、
結果は服薬中の状態を反映する可能性があります。
服薬状況を担当者へお伝えください。
CAARS 2を受けるのですか?
海外のCAARS 2は従来版CAARSの改訂版です。
国内で使用されているCAARS日本語版とは
項目構成や標準化データが異なるため、
同一の検査として扱うことはできません。
まとめ|CAARSは成人ADHDの「困り方」をプロフィールとして整理する検査
CAARSは18歳以上の成人を対象に、
不注意、多動性、衝動性など
ADHDに関連する症状の程度を整理する心理評価尺度です。
自己記入式と観察者評価式があり、
本人自身が感じる困難と、
周囲から観察される行動の両方を比較できることが特徴です。
結果は8つの尺度とT得点などから解釈しますが、
得点だけでADHDを確定診断することはできません。
幼少期からの発達歴、
生活・仕事上の支障、
診察所見、
必要に応じた他の心理検査などを統合して判断します。
CAARSの本当の目的は、
「ADHDかどうか」を一つの数字で決めることではなく、
どのような困難が、どの程度、どの生活場面で起きているのかを具体化し、
治療・環境調整・自己理解へつなげること
にあります。
医療法人社団燈心会 理事長
ライトメンタルクリニック 渋谷本院 院長
清水聖童 (Seido Shimizu)
精神保健指定医 /
日本精神神経学会認定専門医 /
認知症サポート医 /
コンサータ処方登録医
引用・参考文献
1. Conners CK, Erhardt D, Sparrow E.
Conners’ Adult ADHD Rating Scales.
Multi-Health Systems.
2. Conners CK, Erhardt D, Sparrow E 原著.
中村和彦 監修,染木史緒,大西将史 監訳.
CAARS 日本語版マニュアル.
金子書房;2012.
3. 高橋道宏,多喜田保志,市川宏伸,ほか.
成人期のADHD症状評価尺度CAARS-screening version
(CAARS-SV)日本語版の信頼性および妥当性の検討.
精神医学.2011;53(1):23-34.
4. 辻井農亜.
注意欠如多動症の評価尺度・検査
―ASRS-v1.1,ADHD-RS-5,Conners 3日本語版,
CAARS日本語版,WURS,CAADID日本語版,DIVA-5.
精神医学.2024;66(5):509-513.
5. American Psychiatric Association.
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,
Fifth Edition, Text Revision.
American Psychiatric Association Publishing; 2022.
6. Multi-Health Systems.
Conners Adult ADHD Rating Scales 2nd Edition
(CAARS 2).
Multi-Health Systems; 2023.
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