メンタルヘルスコラム

【精神科専門医解説】メドクル(Medcle)とは?不眠症治療アプリの効果・保険適用・費用・使い方

  • 更新日:2026.10.02
  • 公開日:2026.09.24

はじめに

メドクル(Medcle)は、
不眠障害に対する
認知行動療法(CBT-I:Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia)
を、スマートフォンを使って日常生活の中で実践する
治療用アプリ(プログラム医療機器)です。

一般的な睡眠記録アプリとは異なり、
医師の診察・処方・治療管理のもとで使用します。
睡眠の記録だけでなく、
刺激制御療法、睡眠時間制限療法、認知療法などを組み合わせ、
不眠を長引かせている睡眠習慣・行動・考え方そのものを整えていく治療
です。

Medcleは2026年6月から公的医療保険の対象となりました。
所定の条件を満たす成人では、
保険診療として利用することができます。

この記事のポイントMedcleは、慢性不眠に対する代表的な非薬物療法である
CBT-Iを治療原理とした医療機器プログラムです。治療期間は
最初の7日間+その後8週間、合計9週間です。

国内臨床試験では、
疑似アプリ(Sham)と比較して
不眠症状の有意な改善が確認されています。

保険診療では対象条件が定められているため、
睡眠薬などの使用状況、精神疾患・身体疾患、
他の睡眠障害、勤務形態などを診察で確認します。

メドクル(Medcle)とは?

Medcleは、サスメド株式会社が開発した
不眠障害用プログラムです。
患者さん自身のスマートフォンにインストールし、
医師の診察を受けながら使用します。

睡眠日誌を記録するだけのアプリではありません。
日々の睡眠状態をもとに、
CBT-Iを構成する治療技法を繰り返し実践することで、
睡眠のパターンそのものを整えていきます。

販売名

サスメド 不眠障害用アプリ Medcle
一般的名称

不眠障害用プログラム
分類

管理医療機器・疾病治療用プログラム
承認番号

30500BZX00033000
治療原理

不眠障害に対する認知行動療法(CBT-I)
治療期間

合計9週間
当院での相談対象

15歳以上(診察により適応を判断)
保険算定上の対象

成人の軽症~中等症の不眠障害
保険適用開始

2026年6月
対応環境

Android 8.0~16.0 / iOS 15.0~26.4
(2026年9月電子添文時点)
スマートフォンを使用して睡眠記録や睡眠習慣の改善に取り組むMedcleによるデジタル不眠治療のイメージ
Medcleは、通院時だけでなく日常生活の中で、
睡眠の記録・学習・行動の修正を継続できることが特徴です。

なぜメドクルで不眠が改善するのか?

慢性的な不眠では、
単に「眠気が足りない」のではなく、
眠れなかった経験をきっかけとして
不眠をさらに長引かせる行動・認知の悪循環
が形成されることがあります。

例えば、眠れないことを心配するあまり、
「今夜こそ長く眠らなければ」と早くから寝床に入り、
眠れないまま長時間ベッドで過ごすようになると、
寝床と「覚醒」「不安」「考え事」が結びついてしまうことがあります。

メドクルの治療原理。睡眠記録、刺激制御、睡眠時間調整、認知修正によって不眠の悪循環を改善するデジタルCBT-I
Medcleでは、睡眠を見える化し、
寝床と覚醒の結びつきを整え、床上時間を調整し、
睡眠に対する過度な不安や思い込みを修正していきます。

① 睡眠を記録して「実際の眠り」を見える化する

就床時刻、起床時刻、入眠までの時間、
途中で目が覚めた時間などを記録し、
睡眠と覚醒のパターンを客観的に把握します。

本人が感じている睡眠時間と、
実際の睡眠パターンにはずれが生じることもあります。
睡眠を見える化することが、
その後の治療の出発点となります。

② ベッドを再び「眠る場所」にする

刺激制御療法では、
眠くなってから寝床に入る、
眠れない状態が続く場合にはいったん寝床を離れるなど、
ベッドと睡眠の結びつきを再学習していきます。

③ 床上時間を調整して睡眠をまとめる

不眠が続くと、
「眠れないから長くベッドにいよう」と考えがちです。
しかし寝床にいる時間だけが長くなると、
睡眠が細切れになりやすくなることがあります。

CBT-Iでは実際の睡眠時間を参考に床上時間を調整し、
睡眠効率を高めることを目指します。

④ 「眠らなければならない」という不安を整える

「8時間眠らなければならない」
「今日眠れなければ明日は何もできない」
といった考えが強くなると、
眠ろうとする努力そのものが覚醒を高める場合があります。

認知療法では、
睡眠に関する考えを単純にポジティブへ置き換えるのではなく、
より現実的で柔軟な捉え方へ修正していきます。

Medcleでは何をするのですか?


睡眠表・睡眠日誌
毎日の睡眠・覚醒状態を記録し、
自分の睡眠パターンを把握します。

睡眠衛生指導
睡眠に影響する生活習慣や環境について学び、
必要な部分を調整します。

刺激制御療法
寝床と「眠れない」「考え込む」という結びつきを減らし、
寝床を再び睡眠と結びつけていきます。

睡眠時間制限療法
実際の睡眠状態に応じて床上時間を調整し、
睡眠をまとめやすくします。

認知療法
睡眠への過度な不安や、
「眠らなければならない」といった考え方を見直します。

AISによる評価
週1回、アテネ不眠尺度(AIS)などを用いて、
不眠症状の変化を確認します。

Medcleの効果は?

Medcleの検証的臨床試験では、
不眠障害患者175例を対象として、
治療アプリ群87例とShamソフトウェア群88例が比較されました。

主要評価項目である
アテネ不眠尺度(AIS)では、
Medcle群でSham群より大きな改善が確認されています。


Medcle群
AISは治療開始時から
平均6.7点改善しました。

Sham群
AISの改善は
平均3.3点でした。

AIS 6点未満
治療終了時にAISが6点未満となった割合は
Medcle群37.9%でした。

Sham群との比較
Sham群でAISが6点未満となった割合は
10.2%でした。

AIS(アテネ不眠尺度)とは?
入眠のしやすさ、途中覚醒、睡眠時間、
睡眠への満足度、日中の眠気や活動状態など
8項目から不眠症状を評価する尺度です。
点数が低いほど不眠症状が軽いことを示します。

睡眠薬とMedcleは何が違う?

特徴 Medcle 睡眠薬
治療方法 デジタルCBT-I 薬物療法
主な標的 睡眠習慣・行動・認知 睡眠・覚醒に関係する神経系
即効性 数週間かけて改善 比較的期待しやすい
治療中に必要なこと 毎日の記録・実践 服薬が中心
治療終了後 学んだ方法を継続できる 薬剤により反跳性不眠等に注意
薬物依存 生じない 薬剤により注意が必要

睡眠薬とMedcleは、
どちらか一方が常に優れているという関係ではありません。

睡眠薬には服用したその夜から効果を期待できる
即効性という長所があります。
一方、CBT-Iでは睡眠習慣や認知を調整し、
患者さん自身が眠りやすい状態を作れるようになること
を目指します。

ゾルピデムとのデータ比較

Medcleの検証的治験と、
類似したプロトコルでゾルピデム5mgを使用した別の臨床試験を
比較したデータがあります。

治療開始8週時点では、
ゾルピデムの方が不眠症状の改善が大きい結果でした。
一方、ゾルピデム中止後には不眠症状の悪化がみられたのに対し、
Medcle群では治療終了後に明らかな悪化は認められませんでした。

10週時または治療中止時に、
医師が薬物療法を必要と判断した割合は、
Medcle群7.0%、ゾルピデム群26.3%
でした。


ゾルピデムとの直接比較試験ではありません
Medcleとゾルピデムを同一試験内で無作為に比較した研究ではありません。
別々の試験を比較したデータであるため、
「Medcleとゾルピデムのどちらが優れている」と
このデータだけから結論づけることはできません。また、Medcle固有の半年・1年といった
中長期的な有効性・安全性については、
現時点では十分に検証されていません。

睡眠薬については、

デエビゴ(レンボレキサント)
、

クービビック(ダリドレキサント)
、

ボルズィ(ボルノレキサント)

の解説もご覧ください。

Medcleによる治療の対象となる方

Medcleは、
医師により不眠障害と診断され、
CBT-Iによる治療が適していると判断された方に使用します。

項目 当院での考え方
当院での相談年齢 15歳以上を目安に診察で判断
保険算定上の年齢 成人の不眠障害が対象
診断 不眠障害と診断されている
重症度 軽症~中等症
薬物療法 薬物療法に適さない、
または薬物療法に同意しない

15~17歳の方について
当院では15歳以上の方についてMedcleを含む治療の相談を受けていますが、
公的医療保険上の「不眠障害治療支援アプリ」は
成人の不眠障害を対象として定義されています。15~17歳の方については、
Medcleの適応や保険診療上の取り扱いを含め、
診察時に個別に確認します。

保険診療でMedcleを使用できない主なケース

Medcleそのものの使用可否と、
公的医療保険で算定できるかどうかは
必ずしも同じではありません。


睡眠障害治療薬を服用中
保険算定では、
現在睡眠障害治療薬を服用している方は対象外となります。

精神疾患を併存
現在精神疾患に罹患している場合には、
Medcleの保険算定対象外となります。

中等度以上の身体疾患
身体疾患の状態によっては、
Medcleより原疾患の評価・治療を優先します。

他の睡眠・覚醒障害
睡眠時無呼吸症候群、
むずむず脚症候群、
概日リズム睡眠・覚醒障害などがある場合は対象外です。

交代勤務・夜勤
交代勤務や夜勤に従事している方は、
保険算定上の対象外です。

医師が適切でないと判断
不眠の重症度や背景疾患などを踏まえて、
他の治療を優先する場合があります。

精神科へ通院している方について

うつ病、不安症、双極症などの精神疾患に伴って
不眠が生じることは非常に多くあります。

ただしこれは、
精神疾患を伴う不眠にCBT-Iそのものが無効という意味ではありません。

対面式CBT-Iは併存疾患を持つ慢性不眠にも用いられます。
一方、Medcleというアプリについては、
精神疾患を併存する集団で十分な有効性・安全性が
検証されていないことなどから、
現在の保険算定では対象が限定されています。


執筆者の臨床的見解
精神科外来で診療する不眠の多くは、
うつ病、不安症、双極症、発達特性、
ストレス関連症などと重なっています。そのためMedcleは、
「精神科で不眠を訴えるすべての患者さんに使用するアプリ」
というより、

不眠の背景を評価したうえで、
Medcleの適応条件に合う軽症~中等症の不眠障害を
選択して使用する治療

と捉えるのが適切です。

不眠障害そのものについては、

不眠障害(不眠症)の解説

もご覧ください。

Medcleの治療期間は9週間

Medcleは無期限に使用するアプリではありません。


最初の7日間の睡眠衛生指導・睡眠表
+その後8週間のCBT-I

を1つの治療プログラムとして実施します。


最初の7日間
睡眠衛生について学びながら、
毎日の睡眠表を記録します。

その後8週間
刺激制御療法、
睡眠時間制限療法、
認知療法などに取り組みます。

毎日の取り組み
朝と夕方を中心に、
睡眠や日中の状態を記録・振り返ります。

週1回
AISなどを用いて不眠症状の変化を確認し、
目標就寝時刻・目標起床時刻などを調整します。

Medcleによる治療の流れ

Medcle治療のSTEP1 医師の診察・適応判断

STEP 1 医師の診察・処方

不眠症状、これまでの治療、
服薬、生活リズム、身体疾患・精神疾患、
他の睡眠障害の可能性などを確認します。

Medcleが適していると判断した場合には、
治療開始に必要な認証情報をご案内します。

Medcle治療のSTEP2 スマートフォンへのアプリ設定

STEP 2 アプリを設定

ご自身のスマートフォンにMedcleをインストールし、
認証キーを入力して初期設定を行います。

アプリの案内に沿って、
毎日の睡眠記録を開始します。

Medcle治療のSTEP3 最初の1週間の睡眠記録

STEP 3 最初の1週間

就床時刻、起床時刻、
入眠までの時間、途中覚醒などを記録して、
現在の睡眠パターンを確認します。

その情報をもとに、
目標となる就寝時刻・起床時刻などを設定していきます。

Medcle治療のSTEP4 8週間のCBT-I

STEP 4 8週間のCBT-I

朝・夕の振り返りを続けながら、
睡眠時間制限療法、刺激制御療法、
認知療法などに取り組みます。

治療中は診察で経過を確認しながら進めます。

Medcleの費用・保険適用

Medcleは、
2026年6月から公的医療保険の対象となっています。

保険診療の条件を満たし、
対面診療でMedcleを導入する場合、
3割負担ではMedcle関連費用が7,650円
となり、これに通常の診察料や必要に応じた検査料などが加わります。

Medcle関連費用の内訳

項目 保険上の価格・点数 3割負担の目安
Medcle本体 24,100円 7,230円
指導管理料(対面) 90点 270円
導入期加算 50点 150円
導入時合計 Medcle関連分 7,650円

3割負担・対面診療では、導入時7,650円+通常の診察料等
Medcle本体7,230円、
指導管理料270円、
導入期加算150円を合わせて
7,650円です。このほか、
初診料・再診料、
必要に応じた検査料などが加わります。

自己負担割合ごとの導入時費用

自己負担割合 Medcle関連費用の目安
1割負担 2,550円
2割負担 5,100円
3割負担 7,650円

上記はいずれも、
Medcle導入時のアプリ・指導管理に関する費用
です。
通常の診察料や、必要な場合の検査等は別途かかります。

治療中の再診にも費用がかかります

Medcleはアプリを購入して終わる治療ではありません。
医師が治療経過を確認しながら使用するため、
治療期間中も通常の診察料などがかかります。

不眠障害に対するプログラム医療機器等指導管理料は、
条件を満たす場合に
月1回まで算定されます。
導入期加算50点は初回の指導管理を行った月のみです。

オンライン診療の場合

情報通信機器を用いた診療で所定の条件を満たす場合には、
不眠障害に対する指導管理料は
78点となり、
対面診療の90点とは異なります。

そのため、
オンライン診療ではMedcle関連の自己負担額も
対面診療と完全には同一になりません。
また、通常のオンライン診療に伴う費用については、
診療内容に応じて異なります。


実際のお支払い額について
自己負担割合、
医療費助成制度、
診療内容、
対面・オンラインの別、
必要な検査などによって実際の金額は異なります。当院全体の診療料金については、

料金表

もご確認ください。

Medcle治療中の注意点

治療初期には日中の眠気が強くなることがあります

睡眠時間制限療法では、
治療開始直後に一時的に
日中の眠気や疲労が強くなる
ことがあります。


運転や危険を伴う作業には注意してください
眠気が強いときには、
自動車の運転、高所作業、
危険を伴う機械操作などを避ける必要があります。仕事上運転が不可欠な方などでは、
治療開始前に医師へご相談ください。

設定した就寝時間中はアプリを操作できません

夜間にスマートフォンを操作することによって
睡眠を妨げないよう、
設定した目標就寝時刻から目標起床時刻までの間は、
アプリへの入力や確認ができない仕様になっています。

対応するスマートフォンが必要です

2026年9月時点の電子添文では、
動作環境は以下の通りです。


Android


Android 8.0~16.0

iPhone


iOS 15.0~26.4

タイムゾーン


日本(GMT+09:00)

言語


日本語

OSの対応状況は更新される可能性があるため、
実際の治療開始時には最新の動作環境を確認します。

治療中は端末のタイムゾーン変更に注意してください

Medcleでは、日本のタイムゾーンを前提として
治療スケジュールを管理します。

治療中にスマートフォンのタイムゾーンを変更すると、
睡眠記録や治療スケジュールに影響する可能性があるため、
海外渡航などを予定している場合には事前にご相談ください。

Medcleについてよくある質問


Q. 市販の睡眠アプリとは何が違いますか?
一般的な健康管理アプリではなく、
不眠障害の治療を支援する目的で承認された
管理医療機器です。
医師の診察・治療管理のもとで使用します。

Q. 何歳から使えますか?
当院では15歳以上の方から相談を受け、
Medcleを含む治療の適応を診察で判断しています。ただし、公的医療保険上のMedcleは
成人の不眠障害を対象としているため、
15~17歳では取り扱いを個別に確認します。


Q. 睡眠薬を飲んでいてもMedcleを使えますか?
現在、睡眠障害治療薬を服用している場合には、
Medcleの
保険診療上の対象となりません。自己判断で睡眠薬を中止せず、
現在使用しているすべての薬を診察時にお伝えください。


Q. 本当にアプリで不眠が改善しますか?
Medcleの治療原理であるCBT-Iは、
慢性的な不眠に対して有効性が支持されている治療方法です。Medcle自体についても、
国内の無作為化比較試験で
Shamアプリより大きな不眠症状の改善が確認されています。


Q. すぐ眠れるようになりますか?
睡眠薬のように、
服用したその夜に眠気を起こす治療ではありません。数週間かけて睡眠習慣・行動・考え方を調整し、
徐々に睡眠を改善していきます。


Q. アプリだけで治療は完結しますか?
Medcleは医師の処方・指導のもとで使用する治療用アプリです。
アプリへの取り組みだけで完結するのではなく、
診察で睡眠状態や治療経過を確認しながら進めます。

Q. 9週間で必ず不眠症が治りますか?
9週間はMedcleの治療プログラム期間であり、
9週間で症状が完全になくなることを保証するものではありません。治療後の状態に応じて、
その後の治療方針を検討します。


Q. Medcleで改善しなかった場合は?
不眠障害以外の睡眠・覚醒障害、
身体疾患、薬剤、
生活リズムなどを改めて評価します。必要に応じて、
薬物療法、対面式CBT-I、
睡眠専門医療機関での精査などを検討します。


Q. 治療終了後も効果は続きますか?
Medcleの臨床試験では、
治療終了後2週間まで明らかな不眠症状の悪化は
認められませんでした。またCBT-Iでは、
治療中に身につけた睡眠習慣や考え方を
治療終了後にも継続できます。

一方で、
Medcle固有の半年・1年といった長期的な治療効果については、
まだ十分なデータがありません。

Medcleによる治療をご希望の方へ

Medcleは、
睡眠薬とは異なる方法で不眠障害の改善を目指す治療です。


このような方はご相談ください
・睡眠薬以外の不眠治療を検討したい・寝つきの悪さや途中覚醒が続いている

・睡眠習慣そのものを整えたい

・Medcleが自分に合う治療か確認したい

Medcleの処方には医師の診察が必要です。
現在の睡眠状態、治療歴、服薬、
身体・精神疾患、生活状況などを確認したうえで、
Medcleを含めた治療方法を検討します。

まとめ

メドクル(Medcle)は、
CBT-Iを治療原理とした
不眠障害の治療用アプリです。

睡眠薬のように直接眠気を起こすのではなく、
睡眠記録、刺激制御療法、
睡眠時間制限療法、認知療法などを通じて、

不眠を長引かせている行動・睡眠習慣・考え方を整えていく

治療です。

治療期間は
最初の7日間+その後8週間の合計9週間
です。

国内臨床試験でもShamアプリと比較して
不眠症状の改善が確認されています。

また2026年6月から公的医療保険の対象となり、
対面診療・3割負担の場合、
導入時のMedcle関連費用は
7,650円+通常の診察料等
が目安です。

一方、
保険診療では成人の軽症~中等症の不眠障害を対象とし、
睡眠障害治療薬の服用、
精神疾患・中等度以上の身体疾患、
他の睡眠・覚醒障害、
交代勤務・夜勤などについて条件があります。

そのため、

「不眠があるからすぐMedcleを処方する」のではなく、
不眠の原因や背景を診察で評価してから適応を判断する

ことが重要です。

認知行動療法については、

認知行動療法(CBT)

もご覧ください。

不眠障害については、

不眠障害(不眠症)

で詳しく解説しています。

執筆者
執筆者 清水聖童

医療法人社団燈心会 理事長/ライトメンタルクリニック 渋谷院 院長

清水 聖童(Seido Shimizu)

精神保健指定医 /
日本精神神経学会認定精神科専門医 /
認知症サポート医 /
コンサータ・ビバンセ登録医

引用・参考文献

・独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA).
サスメド 不眠障害用アプリ Medcle 電子添文.
第5版, 2026年9月.

・日本睡眠学会.
サスメド不眠障害用アプリ Medcle 適正使用指針 第3版.
2026.

・厚生労働省保険局医療課.
「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」
等の一部改正について.
保医発0529第2号, 2026.

・厚生労働省.
特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準).
不眠障害治療支援アプリ:24,100円.

・Watanabe Y, Kuroki T, Ichikawa D, Ozone M,
Uchimura N, Ueno T.
Effect of smartphone-based cognitive behavioral therapy app
on insomnia: a randomized, double-blind study.
Sleep. 2023;46(3):zsac270.

・Edinger JD, Arnedt JT, Bertisch SM, et al.
Behavioral and psychological treatments for chronic insomnia
disorder in adults: an American Academy of Sleep Medicine
systematic review, meta-analysis, and GRADE assessment.
J Clin Sleep Med. 2021;17:263-298.

・Perlis ML, Posner D, Riemann D,
Bastien CH, Teel J, Thase M.
Insomnia.
Lancet. 2022;400:1047-1060.

・井上猛, 桑原斉, 酒井隆, 鈴木映二, 水上勝義,
宮田久嗣, 諸川由実代, 吉尾隆, 渡邉博幸 編.
こころの治療薬ハンドブック 第16版.
星和書店; 2026.

・樋口輝彦, 市川宏伸, 神庭重信, 朝田隆,
中込和幸 編.
今日の精神疾患治療指針 第2版.
医学書院; 2016.

・姫井昭男.
精神科の薬がわかる本 第5版.
医学書院; 2024.

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